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このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生ががそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

相手の思いを聞くこと、自分の考えを伝えること

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都市環境学専攻建築学系 博士前期課程 2016年修了
中野 恵理

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中山間地域の風景
建物はたくさんの人々が関わって完成します。そこには、いろんな思いや考えがつまっているということを社会人になった今、改めて実感しています。
学生時代は、豊田市の中山間地域の空き家活用について研究を行っていました。豊田市では、定住対策の一環として空き家情報バンクを開設して移住者受け入れを行っていますが、地域面談という地域で誰を受け入れるか決める仕組みを設けています。中山間地域へ移住するということは、お役などの地域活動へ参加し、地域の一員として生活するということです。豊田市では空き家を減らすために誰でも受け入れるのではなく、集落維持という目的のために地域ぐるみで空き家活用が行われていることに興味を持ち、研究を始めました。調査方法は主にヒアリングが中心で、現地で移住者・所有者・行政・地域の方々の様々な思いを聞くことで、中山間地域へ移住するということへの理解を深めていきました。
現在は、メーカーの施設機能を担う部署で自社建築の企画設計を行っています。発注者という立場で社内のユーザー(実際に建物を使用する方々)のニーズを汲み取り、設計事務所・ゼネコンと共に建物をつくり上げていきます。社内にユーザーがおり、企画から竣工後まで長く建築に携われるところに魅力を感じています。
配属当時、私はユーザーが言っていることの背景や必要性を理解しないまま要望だけを聞いていることがありました。私たちは社内の建物に携わる技術者として、ユーザーからの要望を設計事務所・ゼネコンにそのままパスするのではなく、その必要性や機能性、コストなど総合的に判断し、伝える必要があります。そのために、ユーザーの要望をただ聞くのではなく、なぜそうしたいのかをしっかり聞くこと、私の考えを伝える場合もなぜそう考えるかということを意識しています。こういった対話は学生時代にヒアリングを行った経験がいきる一方で、まだまだ足りない部分もあります。
関係者とのコミュニケーションを大切にし、より良い建築がつくれるよう、今後も努力していきたいと思います。
(なかの えり)

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