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このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生ががそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

学生アンケート結果より

顔写真

地球環境科学専攻 大気水圏科学系
相木秀則 准教授
 (海洋科学)
本教員のプロフィール

授業では海洋物理学を中心にアジア太平洋域から地球規模にかけての大気海洋現象について教えています。学生アンケートをとりながら、自然現象を(演繹的に)物理法則から説明するか(帰納的に)人間圏との接点から説明するか判断しています。私としては(本学の理学部数学科出身なので)物理法則の美しさを説明したいのですが、多くの学生にとっては人間圏との接点からの説明の方が心の奥に響くようです。学生の関心が高かった話題を5つ挙げると次のとおりになります。(1)太平洋沿岸アジア各国から排出されたペットボトルなどの海洋漂流ゴミが10年後に総じてハワイ近海に集まってしまう理由、(2)エルニーニョ現象の発見にペルーのイワシ漁獲量が関与している話、(3)太平洋十年規模振動現象の発見にアメリカのサケ漁獲量が関与している話、(4)地球規模の海面水位の変化と地球温暖化や気候変動との関係、(5)土佐出身のジョン万次郎がはるか南方の伊豆諸島の鳥島に漂着した理由と黒潮大蛇行現象との関係、です。これらの話題が、「高校の教科」あるいは「大学の学部・学科」という次元で見た場合に、どれに当てはまるか考えてみると興味深いです。個人レベルでは、得意科目やバックグランドの差異によって、いろいろな答えがあると思います。例えば(1)の海洋漂流ゴミの場合、工学部・理学部・農学部・文系学部(国際法など)のいずれに進学しても、何らかの課題を見つけて取り組む事ができます。そのような個々のアプローチを包み込み、分野横断的に発展させるためのアライアンスとしての役割が、環境学研究科に託されているのでしょう。私自身のバックグラウンドについては、学部時代に漕艇部の練習を、庄内川河口(名古屋市内)でしていた縁で海洋の研究者を志しました。満潮とともに川が逆流し、干潮とともに川底が現れるという、地球・太陽・月の恒久的ダイナミズムに日々接したことは、山育ちの私にとって新鮮な体験でした。また、大雨時の濁流を目の当たりにして、伝え聞いた伊勢湾台風の被害を連想したりしました。
(あいき ひでのり)

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