研究
受賞
2026年 受賞
環境社会学会 環境社会学会奨励賞 論文の部
受賞者
山田 理恵(D3、担当教員:丸山 康司)
受賞日
2026年6月13日
題目
地域の共同性に根ざした「公論形成の場」―高レベル放射性廃棄物処分地選定プロセスを受け入れた北海道神恵内村を事例として
今回の受賞について一言
高レベル放射性廃棄物処分地選定をめぐる問題は、技術的・制度的な課題であるだけでなく、地域社会のあり方、民主主義、将来世代への責任を問う社会的課題でもあると考えています。今回の受賞を励みに、今後も環境社会学の視点から、リスクをめぐる意思決定と公論形成の可能性について研究を深めてまいります。
受賞理由
高レベル放射性廃棄物政策は世界の原子力エネルギー政策の重要課題であるが、日本ではその最終処分地選定プロセスの受け入れをめぐって地域社会の分断がしばしば生じているとされる。
著者は、このプロセスが進行する最中の北海道神恵内村における調査を敢行し、当地では反対運動がなぜ起こらなかったのかという問いを立て、若手住民グループが原子力政策への黙従も地域社会の分断も回避しながら「対話の場」に主体的に参与するプロセスに「公論形成の場」の萌芽を見出した。
従来の「原子力オアシス」仮説を相対化するとともに、さらに行政と住民による対抗運動の相互作用を重視した従来の「公論形成の場」の成立、豊富化をめぐる議論に対して重要な一石を投じる知見を提示した本論文を、本委員会は環境社会学に関する将来性に富み、奨励に値する、優れた研究業績として、第9回環境社会学会奨励賞〈論文の部〉受賞作品に選考するものである。
日本火山学会 日本火山学会 学生優秀論文賞
受賞者
齋藤 虹南(D2、担当教員:並木 敦子)
受賞日
2026年5月15日
題目
A computed tomography observation of the Unzen lava reveals the frequent existence of vesicles and crystals in proximity
今回の受賞について一言
このたびは、栄誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。ご指導いただいた並木敦子先生をはじめ、共同研究者の皆さま、ならびに研究を支えてくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。本研究が、火山噴火現象の理解に少しでも貢献できれば幸いです。今回の受賞を励みとして、今後も研究に真摯に取り組み、一層精進してまいります。
受賞理由
本論文では、火山噴出物のCT撮影における結晶とガラスの識別という技術的困難を乗り越え、雲仙普賢岳1990–95年噴年における多様な溶岩を対象に、結晶と気泡の位置関係を放射光X線CTによって可視化することに成功した。そしてその三次元観察に基づき、マグマの最終的な上昇~溶岩ドームの形成過程において、脱ガス通路が、相互に連結した気泡ネットワークから結晶間に板状に形成された空隙へと移行しながら、噴火の爆発性が失われていったことを突き止めた。本成果は、火山噴火現象の本質的な素過程の一つである脱ガス過程の理解に重要な進展をもたらし、その独自性は高く評価できる。
以上の理由から、火山学に関する独創的で優れた論文を投稿時点において学生として筆頭執筆した齋藤氏の本論文を2026年度日本火山学会学生優秀論文賞にふさわしいと認めた。
https://kazan-g.sakura.ne.jp/J/doc/awards/VSJ_Best_Student_Paper_Award/17.html
海洋理工学会 第21回堀田記念奨励賞
今回の受賞について一言
本賞は、「海洋に関わる理学および工学研究の分野で活躍する有能な若手研究者の奨励」を目的とするものです。黒田さんは、ノイズや欠測を含む海底電場・磁場の長期時系列データから、信頼性の高いMT応答関数をいかに推定するかという重要な課題に取り組み、地道な解析と独自の工夫によって応答関数の精度向上を実現しました。その成果は、海底電磁気観測データの高度利用に資するものであり、本奨励賞にふさわしい研究成果であると思います。現在、黒田さんは観測と実験の双方を自ら実施し、それらを組み合わせた研究を展開しており、今後のさらなる発展が期待されます。(文:市原)
受賞理由
学会web(http://amstec.jp/award/hotta_award.html )より転記
本論文は、海底で長期間観測された電磁場データから、解析に適した高品質データ区間を客観的に抽出し、高精度な Magnetotelluric(MT)応答の推定につなげる手法を提案したものである。著者らは、熊野灘で取得された海底電磁場データ(EMK1-3)を対象に、位相誤差および多重関連度関数(multiple coherency) を指標として時系列データを評価し、区間分割・順位付けにより高品質部を選別する枠組みを示した。さらに、非対角成分(Zxy, Zyx)に着目し、「位相誤差 30° 以下」かつ「多重関連度関数(二乗)0.25 以上」を満たすデータを採用する条件設定と、通過割合と位相誤差平均のトレードオフに基づく最良データセットの判断手順を整理して提示している。 本手法は、長期観測時系列の取捨選択を「客観的・再現可能」な形で定式化し、地下比抵抗構造推定に不可欠な高品質応答の取得を効率化する点で、海底電磁場観測の高度化に大きく貢献する。さらに、海洋で取得された電磁場データに限らず、他の海洋・海底観測データ(圧力・音響等)や陸上電磁場データへの展開可能性も示唆されており、波及効果も大きい。以上より、本論文は堀田記念奨励賞にふさわしい研究成果であり、今後の研究の進展に期待できる。
日本火災学会 学生奨励賞
受賞者
今尾 若菜(M1、担当教員:尾崎 文宣)
連名受賞
尾崎 文宣
受賞日
2026年5月31日
題目
火災時の鋼梁の伸び出しを考慮した耐火設計用の柱局部座屈崩壊温度
今回の受賞について一言
この度は、学生奨励賞という栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。研究をご指導くださった尾崎先生をはじめ、日頃から議論や助言を通じて支えてくれた研究室のメンバーに心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も研究活動に真摯に取り組み、さらなる成長を目指してまいります。
受賞理由
公益社団法人日本火災学会主催の2026年度日本火災学会研究発表会において、鋼構造耐火分野の進歩・発展に寄与する優れた研究として評価され、学生奨励賞を受賞しました。本研究成果はより合理的で実態に即した鋼構造耐火設計の実現に貢献するものであり、火災工学分野の発展に寄与する研究として高く評価され、学生奨励賞を受賞するに至りました。
空気調和・衛生工学会 第40回振興賞技術振興賞
受賞者
田中 英紀 教授
連名受賞
岐阜県、日建設計
受賞日
2026年5月14日
題目
岐阜県庁舎の環境配慮への取組
今回の受賞について一言
中部地域を代表する両施設において、本賞を受賞できたことを大変光栄に思います。
受賞理由
ジブリ大倉庫では、存施設の有効活用しており、この計画・設計の内容と脱炭素などの環境配慮型コンバージョン建築の実現性を多角的に評価した内容が評価された。岐阜県庁舎では、県の環境対策を牽引する「エコ庁舎」を目指し、再生可能エネルギーの活用と高効率システムの導入により、環境負荷低減と快適性を両立した先進的な庁舎の具現化とその検証内容が評価された。
空気調和・衛生工学会 第40回振興賞技術振興賞
受賞者
田中 英紀 教授
連名受賞
鵜飼 真貴子 准教授、日本設計、鹿島建設
受賞日
2026年5月14日
題目
ジブリパーク ジブリの大倉庫の環境・設備計画~循環型社会を見据えたコンバージョン建築における建物価値創出と環境計画の実践~
今回の受賞について一言
中部地域を代表する両施設において、本賞を受賞できたことを大変光栄に思います。
受賞理由
ジブリ大倉庫では、存施設の有効活用しており、この計画・設計の内容と脱炭素などの環境配慮型コンバージョン建築の実現性を多角的に評価した内容が評価された。岐阜県庁舎では、県の環境対策を牽引する「エコ庁舎」を目指し、再生可能エネルギーの活用と高効率システムの導入により、環境負荷低減と快適性を両立した先進的な庁舎の具現化とその検証内容が評価された。
優秀発表賞
受賞者
佐々木 文海(M1、担当教員:谷川 寛樹)
受賞日
2026年5月23日
題目
全国における橋梁ストック構造材の資材投入原単位と建設資材ストック推計
今回の受賞について一言
この度は,このような栄誉ある賞をいただき,大変光栄です。ご指導いただいた先生方をはじめいつも支えてくれた研究室の皆様に,心より感謝申し上げます。これからも精一杯取り組んでいきます。
受賞理由
本研究は,マテリアルストック研究においてこれまで十分に行われていなかった橋梁に着目し,日本全国を対象に資材投入原単位の設定と資材蓄積量の推計を行ったものです。既往研究にない橋梁ストック構造材の蓄積量について基礎データを構築したことは,今後のインフラ資源管理の研究に一助するものと考えています。加えて,指標に関与物質総量を用い、これまでに投入されてきた資材の環境負荷を,採掘活動量に換算して包括的に推計・評価を行いました。これらの結果が,ストック型社会の実現に向けて意義ある研究だと評価していただけたものと受け止めています。
日本建築学会東海支部 日本建築学会東海賞
受賞者
小倉畑 昂祐
連名受賞
李 燕、小松 尚
受賞日
2026年2月23日
題目
廃病院の暫定利用事業「Les Grands Voisins」における既存公共建築の空間整備の特質に関する研究
今回の受賞について一言
本研究は、フランス・パリの旧Saint Vincent de Paul病院を活用した暫定利用事業「Les Grands Voisins(LGV)」を対象に既存公共建築の空間整備の特質について明らかにしたものである。名誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。日頃よりご指導、ご支援いただいている皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
受賞理由
人口減少により遊休化した公共施設の活用が大きな課題である我が国において、本研究で示す暫定利用手法は、都市再生のモデルケースとして非常に高い価値を持つ。特に、行政のみならず市民や専門家など多様な主体が協働するプロセスは、地域の実情に合わせたきめ細やかな再生を実現する上で不可欠である。よって、今後の政策立案やプロジェクトにおいて大いに参考にされると思われる。更に、暫定利用による都市再生は世界的な潮流とも言え、パリの先進的な事例を詳細に分析した本論文は、国際的にも注目される。特に、社会的弱者の支援という福祉的側面と、地域に開かれた魅力的な公共空間の創出という文化的側面の両立といったLGVの取り組みは、多くの都市が抱える課題への有効な解決策を示唆するものである。このように、国内外に対し論文の与える影響力及び将来性は、日本建築学会東海賞に十分に値すると判断した。(野沢英希(東海賞選定委員会/委員長):2025年度 日本建築学会東海賞 受賞者の発表, 日本建築学会建築雑誌2026年4月号, pp.51-52, 2026.04 より受賞理由部分を抜粋)
公益財団法人日本科学協会・日本財団 2025年度笹川科学研究奨励賞
受賞者
齋藤 虹南(D2、担当教員:並木 敦子)
受賞日
2026年4月17日
題目
天然溶岩と模擬実験から探る溶岩ドーム崩落型火砕流における溶岩の破砕
今回の受賞について一言
日本科学協会笹川科学研究助成において、数ある研究課題の中から選出いただき、大変光栄に存じます。研究をご指導いただいた並木敦子先生をはじめ、関係の皆様に心より感謝申し上げます。本研究が、火山噴火災害の軽減に少しでも寄与できれば
受賞理由
本研究では、溶岩ドーム崩落型火砕流における溶岩の破砕機構及び破砕後に生成される粒子の流動様式の解明を目的として、溶岩の内部構造観察、同溶岩の圧縮実験、並びに火砕流の模擬実験を実施した。その結果、溶岩内部では大きな結晶の周囲に大きな空隙が存在し、破砕時にはこれらが弱線として機能して亀裂の進展を促進すること、弱線が不規則に分布することで多様な粒径の火砕物が生成されること、粒径及び空隙率の異なる粒子の混合により、火砕流が遠方まで到達しやすくなることが示唆された。受賞者の選考基準は以下のとおりである。「受賞者の選考には、単に研究の内容や成果だけに捉われることなく、研究に取り組む真摯な姿勢や、研究遂行のための努力など、研究者の資質という面も評価しています。」(日本科学協会HPより引用)
日本建築材料学会 優秀学生賞
受賞者
阪峯 瑞希(M2、担当教員:五十嵐 豪)
受賞日
2026年3月5日
題目
電子顕微鏡観察を用いた木材のミクロ構造とせん断破壊挙動に関する基礎的検討
今回の受賞について一言
大変光栄に思います。日頃よりご指導、ご支援いただいている皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
受賞理由
修士論文が日本建築材料協会 優秀学生賞選考委員会において受賞にふさわしいと認められたため。
令和7年度土木学会中部支部研究発表会 土木学会中部支部優秀講演者賞
受賞者
東方 柚葵(M2、担当教員:加藤 博和)
連名受賞
加藤 博和、松原 光也
受賞日
2026年3月6日
題目
地域交通法に基づく協議会における鉄道協議の実態調査
今回の受賞について一言
このような賞をいただくことができ非常に光栄です。指導していただいた加藤先生、松原研究員に感謝申し上げます。
受賞理由
優れた研究成果を発表したため。
日本建築材料学会 優秀学生賞
受賞者
市川 大貴(M2、担当教員:五十嵐 豪)
受賞日
2026年3月5日
題目
高温加熱を受けたセメント硬化体の再水和膨張・崩壊挙動に関する基礎的検討
今回の受賞について一言
大変光栄に思います。日頃よりご指導、ご支援いただいている皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
受賞理由
修士論文が日本建築材料協会 優秀学生賞選考委員会において受賞にふさわしいと認められたため。
日本森林学会 Journal of Forest Research Award 2026 (Journal of Forest Research 論文賞 2026)
受賞者
平野 恭弘 教授
連名受賞
藤堂 千景、谷川 東子、池野 英利
受賞日
2026年3月16日
題目
Intraspecific variation in root system structure in a Pinus thunbergii stand grown in a gravelly spit coast(礫質砂嘴海岸に生育するクロマツ林根系構造の種内変動)
今回の受賞について一言
Journal of Forest Research誌で出版された年間に数ある原著論文の中から選出され大変光栄に思います。野外調査を支えていただいた樹木医大橋成友さんはじめ皆様に心から感謝をいたします。海岸林の減災機能を高める一助になれば幸いです。
受賞理由
Journal of Forest Research論文賞は年間50本以上の国際英語論文から選ばれる最優秀論文である。本論文は、海岸林の樹木について大きな根系の3次元構造を維持したまま掘り取るという他に類を見ない方法のみならず、デジタル画像から3次元根系構造を復元し、土壌特性とともに構造と要因を解析するという手法を確立した点でオリジナリティが高く評価された。大きな根系を実験室に持ち帰り解析することは困難であったが、本手法によりデジタルデータ保存と再解析を可能とした点もモニタリングの視点から画期的である。著者らのデータを既存文献とともに、クロマツの根の最大深さは樹高から推定できることを示した点で、津波耐性など海岸林の減災機能を評価するという緊縛の課題に応用可能な点で評価が高い。以上の理由から本論文がJournal of Forest Research論文賞2026としてふさわしいとして表彰された。
海と地球のシンポジウム2025 ポスター発表 優秀賞
受賞者
二村 康平(D3、担当教員:道林 克禎)
受賞日
2026年3月11日
題目
中央インド洋海嶺Marie Celesteトランスフォーム断層の岩相と構造
今回の受賞について一言
この度は、研究船を利用する多様な分野における成果発表を行う場である「海と地球のシンポジウム」において、優秀賞をいただくことができ、大変光栄に思います。今回の受賞を励みに、より一層研究活動に精進していきたいと思います。ありがとうございました。
受賞理由
海と地球のシンポジウム2025のポスター発表において、発表内容が優れていたため。
環境科学会 2026年論文賞
受賞者
山本 あゆ夏(M2、担当教員:齋藤 仁)
受賞日
2026年2月
題目
山本 あゆ夏・齋藤 仁(2025)サンゴ群集衰退の原因となる赤土流出の陸域環境要因とその空間的・季節的差異—石垣島・西表島を対象として—, 環境科学会誌:38(5), pp.97-108.
受賞理由
環境科学会誌2025年38巻5号に掲載された本論文は,石垣島および西表島を対象に,サンゴ群集衰退の要因となる赤土流出について,流域単位で陸域環境要因とSPSS値(海域底質中懸濁物質含有量)との関係を解析した研究である。地形および土地利用データを統合し,機械学習を用いて空間的・季節的差異を明らかにした点に新規性がある。特に,牧場や水田など従来注目されてこなかった土地利用の影響を示した点は独創的であり,サンゴ礁保全に資する有用な知見を提供している点が評価されたため。