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このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

木を見て森も見る

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都市環境学専攻 持続発展学系
白木 裕斗 准教授
本教員のプロフィール

2023年4月に都市環境学専攻持続発展学コースに着任した白木裕斗と申します。今回、新任教員として、環境学と私に寄稿する機会を頂きましたので、簡単に自己紹介をさせていただければと思います。
学生時代は、国立岐阜工業高等専門学校や国立東京工業高等専門学校専攻科で電気工学を学んだ後、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境システム学専攻にて環境学について学ぶ機会を頂きました。学位取得後は、国立環境研究所社会環境システム研究センターで特別研究員(いわゆるポスドク)を経験した後、2023年3月まで滋賀県立大学環境科学部で助教・講師として教育・研究業務に携わってきました。
私の専門分野は、エネルギーシステム学、環境システム学です。具体的な研究テーマとしては、気候変動緩和技術の導入可能性分析や省エネルギーの推進に向けた分析などを行っています。気候変動緩和技術の導入可能性分析では、特に、国や自治体といった比較的マクロなスケールでの気候変動の緩和策が将来のエネルギーシステムや温室効果ガス排出量に与える影響を、数理モデルを使って分析しています。例えば、2050年カーボンニュートラルを実現するには、現在のエネルギーシステムをどの程度、どのような技術で置き換えるべきなのかといったことを、環境面・経済面を複合的に考慮可能な数理モデルによって分析しています。省エネルギーの推進に向けた研究では、企業や一般家庭での省エネルギー機器の普及や省エネ行動の促進に影響を与える要因について、質問紙調査と統計解析により分析しています。例えば、企業や一般家庭を対象にした質問紙調査に統計解析を適用することにより、電気自動車や省エネ住宅の購買や省エネ行動の要因を特定し、その促進策を検討しています。
タイトルの「木を見て森も見る」という言葉は、学生時代に座右の銘を聞かれて半分ふざけながら考えた造語ですが、今でも割と気に入っています。個別のアクターに着目した“木を見る”研究と、複数のアクターの相互作用システムに着目した“森を見る研究”を組み合わせることで、環境問題解決の一助となれればと考えています。
(しらき ひろと)

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