環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  特筆すべき研究成果 −受賞編−
環境学研究科構成員の研究成果について、学会等で功績が認められ受賞したものを掲載しています。
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 2010年

  • 日本パーソナリティ心理学会優秀大会発表賞
受賞者 服部 陽介(D2, 担当教員: 川口潤)、 川口 潤 教授
受賞日 2010年10月10日
題目 抑うつ者における思考抑制方略の有効性と侵入思考の関係
今回の受賞について一言
  この度は,このような賞をいただくことが出来,大変光栄に思います。指導教官である川口潤先生をはじめとする,社会環境学専攻の先生方や,同じ研究室に所属する大学院生の方々には,研究内容について様々なアドバイスやコメントをいただきました。心より感謝を申し上げます。今回の受賞を励みに,よりよい研究が出来るよう更に努力をしていきたいと思います。
受賞理由
  日本パーソナリティ心理学会第19回大会の優秀大会発表賞は,事前に投稿する原稿を対象とした一次審査と,大会当日の発表の内容・形式について, 1.明瞭性、2.新規性、3.技術性、4.社会的貢献を視点とした総合評価を行う二次審査の結果に基づいて選考が行われた。また,選考は,全発表数の5%を上限にして行われた。上記の基準に基づく選考の結果,本研究『抑うつ者における思考抑制方略の有効性と侵入思考の関係』が優秀な発表であると認められ,受賞に至った。
 
  • 日本環境共生学会第13回研究発表大会学生発表賞
受賞者 宮田 将門(D3, 担当教員:林良嗣)
受賞日 2010年12月27日
題目 都市域コンパクト化に伴う撤退地区の農地への転換可能性評価システム
今回の受賞について一言
  持続可能な都市を実現するための都市域縮退策を進める際に、撤退候補となる土地をどう捻出し活用するのかが問題となります。本研究では、撤退候補地を農地に転用することを想定し、その可能性を評価する方法を開発しました。研究成果がこのような形となって認めて頂きまして大変に嬉しく思います。 発表の際には様々な分野の先生方からアドバイスを頂き、大変参考になったと同時にまだまだ取り組むべき問題が多く存在する研究であると再認識致しました。 今後も引き続き、持続可能な都市・地域の在り方に関する研究に取り組んでいこうと思います。
受賞理由
  日本環境共生学会学会賞規程により日本環境共生学会第13回研究発表大会学生発表賞を贈る
 
  • 日本地震学会 2010年度秋季大会学生優秀発表賞
受賞者 平井 敬(D1, 担当教員:福和伸夫)
受賞日 2010年12月6日
題目 地震動波形を用いた地震の音の作成法
今回の受賞について一言
  本研究は、日本地震学会で発表するにはやや特異な内容であり、どのような評価をいただくか少々不安でありました。しかしながら思いのほか好意的なご意見を方々からいただき、さらに今年度から新設されたという日本地震学会学生優秀発表賞を受賞できましたことは、大変嬉しく思います。種々のアドバイスを下さいました研究室の皆様に、感謝申し上げたいと思います。
受賞理由
  授賞者である公益社団法人日本地震学会から詳細な授賞理由は通知されておりませんが、優れた発表であると評価されたことのみならず、本研究の内容の特異性をも勘案しての授賞だったのではないかと思います。
  本研究は、地震の際に記録された地震動波形を利用して、ある規則のもとにこれを加工することで「地震を表現する音」を作成する方法を提案したものです。地震防災教育・啓発活動の場においては、音として聞くだけではなく震動の映像と組み合わせて用いることでより高い効果を発揮することができると考え、発表においてもそのようにいたしました。
  現時点において、本研究の学術的価値は未知数といえますが、前述のような工夫が評価されての受賞だったのではないかと思います。
 
  • 2010年度日本建築学会大会 シェル・空間構造部門優秀発表賞
受賞者 高塚 真央(D2, 担当教員:大森博司)
受賞日 2010年12月3日
題目 新しい平面展開システムの提案とその理論解析
今回の受賞について一言
  発表を聞いて頂き,そのうえ賞まで頂き,ありがたく思います。
受賞理由
  本研究は,太陽発電衛星のような大型宇宙構造物の輸送・建設の際に容易に収納・展開できる新しい展開型構造を提案すると共に,その展開挙動を理論的に検証するものである。太陽発電衛星とは,宇宙空間に巨大な太陽電池パネルを構築し,太陽光エネルギーを有効利用しようという構想である。本研究では,このような巨大な平面状構造物を,平面直交二方向に同時に収納・展開する方法を新たに考案し,特許を取得している(発明名称:二次元展開パネルユニット,特許第3971724号)。今回の発表は短時間ではあったが,研究内容が理解された。
 
  • (社)環境情報科学センター 第24回環境研究発表会 最優秀ポスター賞(理事長賞)
受賞者 前新 将(M2, 担当教員:谷川寛樹)
受賞日 2010年11月24日
題目 TMR指標を用いた建設副産物のリサイクル性評価に関する研究
受賞理由
  「TMR指標を用いた建設副産物のリサイクル性評価に関する研究」(著者:前新将,谷川寛樹,山末英嗣)の成果を環境情報科学ポスターセッション学生の部において発表し,最優秀賞である理事長賞に値すると評価された。
 
  • (社)環境情報科学センター 第24回環境研究発表会 優秀ポスター賞(学術委員長賞)
受賞者 荒川 祐至(M2, 担当教員:谷川寛樹)
受賞日 2010年11月24日
題目 都道府県における道路ネットワークの形成と産業構造の変化の関連性についての分析
受賞理由
   「都道府県における道路ネットワークの形成と産業構造の変化の関連性についての分析」(著者:荒川祐至,早川容平,石峰,谷川寛樹)の成果を環境情報科学ポスターセッション学生の部において発表し,優秀賞である学術委員長賞に値すると評価された。
 
  • 日本活断層学会2010年度秋季学術大会若手優秀講演賞
受賞者 杉戸 信彦 研究機関研究員
受賞日 2010年11月26日
講演名 地形学的手法に基づくモンゴル,ブルナイ断層の最近2回の地震時変位量と活動時期
今回の受賞について一言
  「活断層の活動の繰り返し方はどのくらい規則的なのか?」は、大地震の予測可能性の程度を見極める原点ともいえる問題です。その重要なアプローチのひとつとして、過去の地震時変位量や活動間隔を直接解き明かすことのできる地形地質学的方法があります。しかし、データのばらつき等もあり問題は十分には解決されていません。
 ここ数年、1905年ブルナイ地震や1957年ゴビアルタイ地震を引き起こしたモンゴルの活断層を対象として、机上調査(衛星画像や航空写真の判読による地形解析)と野外調査(踏査・測量・掘削調査)を、本講演連名者8名(後藤秀昭:広島大、鈴木康弘:名古屋大、廣内大助:信州大、D. Enkhtaivan・S. Narangerel・M. Otgonbayar・J. Sukhbaatar・O. Batkhishig:モンゴル科学アカデミー地理学研究所)や、石黒聡士氏(名古屋大)をはじめとする多くの方々と実施してきました。本講演はその成果の一部であり、長さ300km以上に及ぶブルナイ断層の約200kmの区間を訪問し、最近2回の活動に伴う地震時変位量について、地点によって5〜14mと大きく異なること、しかし地点ごとにみるとほぼ同じ量の変位が繰り返したこと、またひとつ前の活動時期など、上記問題の解決に役立つ新知見を得ることができました。講演中、雄大な地形をスナップ写真で多数紹介しましたが、気候や遊牧生活等も含め、地域固有の自然と文化に触れる貴重な機会にもなりました。
 今回ご評価いただき大変光栄かつ恐縮に存じます。受賞を励みに今後も全力で取り組んでいこうと思います。
受賞理由
  杉戸会員は1905年ブルナイ地震(モンゴル)の地表地震断層の国際共同研究を行い、地震時変位量の時空間分布に関する高精度データの取得に成功した。杉戸氏はトータルステーションを用いた測量などにより、1905年のブルナイ地震に伴う地震時変位量は5〜14m程度と地点によって3倍近い幅があること、一方、個々の地点における最近2回の変位量はほぼ同じであることを解明した。地震断層・活断層の1回変位量は地震の規模予測に不可欠なデータであるが、その信頼度やばらつきの評価は今もって十分なものではない。そのような中、本講演は地震断層・活断層の高精度基本情報の整備に大きく貢献するものである。講演では雄大な変動地形の写真などを効果的に用い、フィールドサイエンスの面白さをアピールした点も評価される。
 
  • 日本鋼構造協会第18回鋼構造シンポジウム2010アカデミーセッション優秀発表賞
受賞者 藤井 俊二 (D3, 担当教員:田川 浩)
受賞日 2010年11月19日
論文名 丸鋼芯材を二重鋼管により座屈拘束したブレースの有限要素解析
受賞理由
   本賞は,鋼構造シンポジウムアカデミーセッションにおいて,35歳以下の若手研究者を対象として優秀発表を選考し表彰するものである.論文「丸鋼芯材を二重鋼管により座屈拘束したブレースの有限要素解析」(著者:藤井俊二, 田川 浩)を同アカデミーセッションにおいて発表し,優秀な発表であると評価され優秀発表賞が与えられた.
 
  • 多文化関係学会石井奨励賞
受賞者 芝 真里 (D1, 担当教員:西原和久)
受賞日 2010年10月17日
題目 東アジアからの「もうひとつの移民」をめぐるネットワーク形成――米国ポートランド市における国際養子縁組を事例として――」
今回の受賞について一言
  アメリカ・スウェーデンでの精力的なヒアリング調査が基盤となり、今後に向けた研究の方向性が明確になったので、これからの研究が楽しみである。
受賞理由
   米国ポートランド市における国際養子縁組子弟の母国文化の保持とホスト社会の多様な文化の受け止め方という着眼点に多文化関係学としての萌芽が読み取れる。特に韓国養子に対する同化教育への反省から繰り広げられようとする中国養子育成の過程での多文化共生をめざした対応を視野に入れることにより、今後の研究の展開が広がりと深みを持つであろう。発表者の立ち位置や問題意識はしっかりしていて評価できるが、発表での話し方を含め、データのまとめ方や提示方法や考察にはまだ改善の余地がある。
審査基準:
1 多文化関係学への貢献度:多文化の関係性についての視点、複合的アプローチ、面白さ、新しさ、研究の発展可能性、など。
2 研究レヴェル:研究背景、先行研究のまとめ、考察・分析などの深さ。
3 学問的論理性:研究目的、データ、考察、結果の一貫性、議論の論拠、など。
4 独創性:研究の視点、目的、方法などの点での独創性。
5 発表の仕方・説得力:当日の発表態度全般――視線、声の大きさや速さ、わかりやすさ、資料の提示方法など。
 
  • (社)土木学会 第37回環境システム研究論文発表会優秀ポスター賞
受賞者 黎 明 (D2, 担当教員:谷川寛樹)
受賞日 2010年10月24日
論文名 中国地域別の交通部門におけるCO2排出量の削減可能性に関する研究
今回の受賞について一言
  優秀ポスター賞をいただき、現在の研究を続けて良かったと自信を持ちました。
受賞理由
   平成21年の「第37回環境システム研究論文発表会」において、中国交通問題及びCO2排出問題に関する「中国地域別の交通部門におけるCO2排出量の削減可能性に関する研究」をポスターにて発表し、委員会より本研究の成果及びポスター内容の分かりやすさが評価されたため。
 
  • 日本地域学会第19回学会賞著作賞
受賞者 林 良嗣 教授、加藤 博和 准教授、土井健司、石川幹子、加知範康、紀伊雅敦、杉山郁夫、鈴木隆、中西仁美、西谷剛、森本章倫
受賞日 2010年10月10日
著作名 都市のクオリティ・ストック―土地利用・緑地・交通の総合戦略
今回の受賞について一言
  本書は、日本の都市づくりが土地と建物の使い捨てを続けた結果、日本人が勤勉に働いて稼ぎ出したGDPが将来世代に残しうるストックとなり得ていないことを指摘した上で、それらを克服しうる新たな計画理念である「クオリティ・ストック化」のビジョン・指針・実現方策を提示している。国内外のいくつかの実例・データに立脚した分析を踏まえ、市街地の撤退・再集結を図る都市像と、その工学的分析評価法を提示している。これにより観念論としてのコンパクト・シティを超えて、普遍的な社会目的、地域社会に即したビジョンおよび具体的な実現手法を備えた内容となっており、これらの点が評価されて日本地域学会著作賞の栄誉に浴することができたものと考えている。
受賞理由
  日本地域学会では学会賞選考委員会で審議を行った結果、標記著作が地域学の発展に著しく寄与し、その意義や貢献が多大であるとして表彰した。
 
  • 学生優秀ポスター賞
受賞者 梁 娜瑛 (D3、担当教員:竹内恒夫)
受賞日 2010年9月26日
題目 なごやリユースステーション実証実験
今回の受賞について一言
  環境政策論講座のみさなんの協力があったからこそ、栄誉ある賞を授与頂けたと思います。政策論講座の皆さまへの感謝を込めつつ深く御礼申し上げます。今後も引き続き、循環型社会の形成に資する実証的な研究に一生懸命に取り組んでいきたいと考えております。
受賞理由
  循環型社会の構築に向けた「なごやリユースステーション実証実験」を実施し、その結果を日本環境共生学会のポスターセッションの部において発表しました。理論だけではなく、地域に根差した仕組みを提案し、社会実験を行った実証的な取組の結果が高く評価され、受賞したものである。
 
  • (社)日本建築学会優秀修士論文賞
受賞者 岸 直哉 (2009年度修了生、担当教員:丸山一平)
受賞日 2010年9月9日
論文名 セメント硬化体中の水分挙動に関する研究
今回の受賞について一言
  本研究は,セメント硬化体中の水分挙動として,収縮,水分移動,熱伝導,測定方法といった広範な挙動について実験的検討を行うとともに,新しい理論の構築を行ったものです。試験体数は1000以上あり,非常にやりがいのある研究でした。
受賞理由
  本論文は,乾湿繰り返しにともなうセメント硬化体中の体積変化を解明するための基礎的な研究である。セメント硬化体柱の温度勾配および湿度勾配による水分移動メカニズムについて貴重なせいかを得ている。また,含水率の計測方法については,テラヘルツ波を用いた計測法の見通しをえている。本論文の成果は,コンクリートの品質向上に寄与するせいかであり,コンクリート工学上重要な基盤といえる。論文は非常に丁寧にまとめられており,考察は既往の研究に対する分析と実験による理論の確認を元に精緻に展開しており,修士論文として高く評価される。
 
  • ISPRS Commission VIII Best Paper Award
受賞者 陳 学泓 (D1、担当教員:山口靖)
受賞日 2010年8月12日
文名 A new measure of classification error; designed for landscape patern index
今回の受賞について一言
  8月9日から12日に京都で開催された「写真測量とリモートセンシングに関する国際学会第8部会(ISPRS Commission VIII)国際シンポジウム」において、陳 学泓君が口頭発表を行った論文が、Best paper awardを受賞した。共著者は、指導教員の山口靖教授と北京師範大学の陳晋教授である。
受賞理由
  画像上での土地被覆分類結果などの精度評価は、従来、各画素毎に行われていた。しかし、空間指標のように2次元の空間パターンを扱う場合には、対象画素の周囲での分類結果の空間分布パターンも考慮して評価すべきである。本論文はこうした考えに基づき、新たな精度評価法を提案したが、この方法が高く評価された。
 
  • (社)交通工学研究会 第24回交通工学研究会論文賞(連名受賞)
受賞者 森川 高行 教授
受賞日 2010年5月28日
論文名 低コストプローブカーデータのオンラインマップマッチング手法の開発
受賞理由
  本論文は、低コストプローブカーデータのマップマッチング精度の低下に対応したオンラインマップマッチング手法を提案するとともに、提案した手法によるマップマッチング精度の検証を、実際に名古屋市周辺で収集されたデータを用いて、実証的に行った研究であり、今後の実務への有用性・発展性に大いに期待できる論文である。特に、プローブデータから得られる車両軌跡のネットワークデータへのオンラインマッチング方法に関して、既存研究における課題を丁寧に整理するとともに、それに対応し、低コストに着目した技術的な提案とその成果は、プローブデータを活用しようとする実務者および研究者に対して有用であり、時宜を得た実用性の高い研究と評価される。よって論文賞に値するものと判断された。
 
  • (社)セメント協会 第64回セメン後技術大会優秀講演者賞
受賞者 丸山 一平 准教授
受賞日 2010年7年20日
講演名 異なる乾燥条件におけるC-S-Hの赤外吸収スペクトル
今回の受賞について一言
  コンクリートの耐久性を評価する上で,含水率がどのような経緯をたどるかということは非常に重要な問題です。セメントの反応物の乾燥時の化学的変化現象は,今後,コンクリート分野で一つの中心的な議論になるものと思われますが,本研究は,その挙動をNMRやFTIRなどの分析器機によって評価した研究です。
受賞理由
  含水率の予測・評価の観点から,骨格自体も変化するという新しい概念から,実験的検討を進めた点について評価され,優秀講演者賞に結びつきました。
 
  • 日本コンクリート工学講演会年次論文奨励賞
受賞者 五十嵐 豪 (D2, 担当教員:丸山一平)
受賞日 2010年7月9日
論文名 セメント硬化体の若材齢時におけるポアソン比の経時変化
今回の受賞について一言
  本研究は,若材齢時におけるセメント硬化体のポアソン比の経時変化についてセメントの水和反応の観点から考察したものであります。 セメントの水和反応速度モデルからコンクリートの力学的性質予測を行う上で,利用しやすい形でデータをとりまとめたことが評価されたものと思っています。 今回の受賞を励みとして,さらなる意欲を持って今後も引き続き研究に邁進してまいります。
受賞理由
  従来着目されていなかった,コンクリートあるいはセメント硬化体の若材齢時のポアソン比の経時変化に着目し,超音波伝搬速度による推定と,セメントの水和反応分析の両者を実施し,それらの関係を明らかにした論文であり,特に優秀な講演と認められたので,受賞に至った。
 
  • (社)物理探査学会 第121回(平成21年度秋季)学術講演会 優秀ポスター賞
受賞者 渡辺 志穂 (M2(発表時), 担当教員:山口靖)
受賞日 2010年6月1日
題目 月の地下エコー検出のためのLRSデータ解析方法の検討
今回の受賞について一言
  日本の月周回衛星「かぐや」によって、世界で初めて月全球に渡る月面下構造探査が行われました。本研究では、月面下構造を抽出するためのノイズ除去の方法を検討し、月面下に堆積する溶岩量の推定を行いました。研究対象が「月」というのは、物理探査学会の発表としては稀なことだと思いますが、多くの方がこの研究に興味を持って下さり、このような賞をいただけたことをとても嬉しく思います。
受賞理由
  学術講演会優秀発表賞は、若手会員による研究を促進し、その成果を学術講演会で積極的に発表していただき、学会全体の活性化につなげることを目的としています。35才以下の発表者(登壇者)を対象としており、優秀講演賞(口頭発表)と優秀ポスター賞が設けられています。 審査は所定の審査表を用いて主に各セッションの座長が行います。採点項目には、プレゼンテーションの状況(スライド・ポスターの見やすさ、発表の分かり易 さなど)、研究成果の技術的内容(新規性、完成度など)、発表時間、質問への対応状況などがあります。
 
  • (社)日本都市計画学会 2009年 年間優秀論文賞
受賞者 森川 高行 教授
受賞日 2010年5月14日
論文名 駐車デポジットシステム(PDS)の効率性と公平性に関する分析
受賞理由
  本論文は、著者らが提案している駐車デポジットシステム(PDS)の導入可能性について検討したものである。評価できる点としては、まず第一に、道路課金政策の導入評価として、交通状況のy変化と効率性に加え、公平性(受容性)の観点からも分析を行い、システムの特性を把握していること、第二には、交通手段選択モデルに潜在クラスモデルを適用して交通状態予測を行っていること、および評価にあたり所得階層やトリップのODの空間配置を考慮している点があげられる。
 
  • Best paper in the category of Scientific Value at Sixth International Conference Concrete under Severe Conditions
受賞者 丸山 一平 准教授
受賞日 2010年6月9日
論文名 Quantification of water penetration into concrete through cracks to rebars by neutron radiography
今回の受賞について一言
  本研究は,兼松学先生(東京理科大学,筆頭),土屋直子様(東京大学),野口貴文先生(東京大学)との共同研究の成果であり,中性子ラジオグラフィ装置を用いて,鉄筋コンクリート構造物の耐久性に影響が大きいといわれる水分挙動について観察した成果をとりまとめたものです。共著者として非常に栄誉ある賞を受賞して,うれしく思います。
受賞理由
   6回目を迎える過酷環境下におけるコンクリートに関する国際会議での発表論文(200編以上)の中から,特に科学的に価値あるものとして認められたため,受賞に至った。
 
  • (社)セメント協会論文賞
受賞者 丸山 一平 准教授、 寺本 篤史(D2, 担当教員:丸山一平)
受賞日 2010年5月26日
論文名 若材齢におけるセメント硬化体の体積変化に関する研究
今回の受賞について一言
  二年連続の受賞を賜り、大変恐縮しています。名古屋大学からの研究が少しずつ認知されはじめていることは非常にうれしく思います
受賞理由
   2008年および2009年に発表した計4編の論文に対して、学術および技術上の進歩発展に貢献する優秀なものと認められ受賞にいたった。本研究は、高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートが、温度履歴を受けた場合になぜ、普通コンクリートよりもひび割れやすくなることがあるか、ということについて精緻な実験とメカニズムの観点から明らかにし、その対策手法についても提案したものであり、今後のコンクリート業界のCO2低減と安全・安心で耐久的な建設ストックの計画・施工に大きく貢献するものである。
 
  • 平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞 研究部門
受賞者 大森 博司 教授
受賞日 2010年4月13日
業績名 構造形態創生法の開発と構造デザインへの応用に関する研究
今回の受賞について一言
  建築設計が創作芸術であるという意味では絵画や彫刻と同じです。ただ、その結果、実現する建築物は、例えば、住宅、学校、病院、ホール、スタジアムなどと言った用途や機能を持ち、かつ一定の規模を持つ構造物で、何十年間、場合によっては百年近くにわたっての地震や風に対する安全性や耐久性を持たせる必要があります。この課題のうち、科学的に応えることができる部分については一手にこちらに任せてもらい、設計にあたる人には芸術性や社会性など、本来的に人が関わることの求められる創造的・総合的な部分に集中してもらう。こうしたことの実現に向けて進めてきた仕事がこの研究です。でもいまだ道半ば。まだまだ先は長いと感じています。今回の受賞を励みにして、今後も歩みを続けます。
受賞理由
  建築での構造最適化法の利用は、機械工学などでの利用状況に比べて大きく立ち後れていました。それは、建築物が構造性能のみならず、機能性、社会性、審美性など、自然科学的定量的手法では把握が困難な、多様な性能を実現する総合的な成果だからです。一方、建築物が満足すべき条件には科学的定量的評価が可能なものも多くあります。その部分に構造最適化法を利用することができれば設計の効率化が図られ、その結果として設計者はゆとりを持って本来の創造的作業に専念することができるようになるはずです。この研究では、構造最適化の方法として構造形態創生法と呼ぶ方法を開発していますが、設計者はこれにより種々の構造的制約を満足し、かつ力学的に優れた設計を行うことができるようになります。この方法は、既に実設計に用いられて成果を得ており、その利用は今後、限られた建設資源の有効利用による環境負荷低減に向けた建築設計の実現に大きく寄与することが期待されています。本賞はこのような研究業績に対して授与されたものです。
 
  • 2009年度 日本心理学会若手研究者奨励賞
受賞者 塚本 早織 (M1, 担当教員:唐沢 穣)
受賞日 2010年2月20日
題目 偏見の基礎となる『しろうと理論』の実証的解明-社会的カテゴリの『本質主義的』認知-
今回の受賞について一言
  ポスドクや博士後期課程在籍者の授賞が多い中で修士1年での受賞は特筆に値します。
受賞理由
  受賞した研究題目は「偏見の基礎となる『しろうと理論』の実証的解明―社会的カテゴリの『本質主義的』認知―」というものである。人種や性別などの社会的カテゴリーは、その多くが社会的に構成されたものであるにもかかわらず、自然カテゴリーのように本質的属性(たとえば遺伝子などの生学的実体)をもとに成立していると考えられがちである。「心理的本質主義」と呼ばれる、この直観的思考様式のしくみを検討することにより、偏見の心理的基礎を明らかにすることが本研究の目的である。多数の応募の中から、その研究アイディアの独創性と研究計画の優秀さが選考委員会から高く評価され、受賞に至った。
 
  • (社)日本材料学会東海支部 第4回学術講演会優秀講演賞
受賞者 猪飼 陽子 (M2, 担当教員:丸山一平)
受賞日 2010年3月5日
論文名 異なる含水状態を有するセメント硬化体の爆裂挙動
今回の受賞について一言
  従来のコンクリートの爆裂研究は,爆裂がおきるかおきないかという現象論でしか議論されておらず,物性としてどういう条件でセメント硬化体の破壊がおきるか,ということについては触れられることが無かった。本研究では,セメント硬化体の爆裂がどのような温度条件で,急激な破壊が生じるかということを,材料調整に1年以上の歳月をかけ,入念な実験を行い,定量的な指標を得ることができた物で,学術的価値はきわめて大きいと考えられる。
受賞理由
  日本材料学会東海支部主催の第4回学術講演会において,発表した論文は優れた講演内容であるとともに,発表方法ならびに態度が優秀であったため。