環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  特筆すべき研究成果 −受賞編−
環境学研究科構成員の研究成果について、学会等で功績が認められ受賞したものを掲載しています。
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 2006年

●日本質量分析学会同位体比部会
  2006年度同位体比部会口頭発表賞
 
受賞者 江口 景子(環境学研究科・M1)
受賞日 2006年11月10日
受賞理由など
 日本質量分析学会同位体比部会において発表された「液体窒素で水滴を氷結させたときの水損失及び水素・酸素同位体分別」に対する受賞

●日本質量分析学会同位体比部会 2006年度同位体比部会口頭発表賞

受賞者 若木 重行(環境学研究科・D2)
受賞日 2006年11月10日
受賞理由など
 日本質量分析学会同位体比部会において発表された「Total evaporation normalization 法による極微量Ndの同位体比測定」は、質量分析において、目的とする多数の同位体のイオンビームを電気的に積分してその強度を比較するもので、0.5ナノグラムのネオジム同位体を±0.01%での測定に成功した。ビームが不安定でも優れた再現性を得るなど、内容が斬新できわめて優れた発表である。

●地球化学研究協会学術賞(三宅賞)

受賞者 田上 英一郎(環境学研究科・教授)
受賞日 2006年12月2日
受賞理由など
 受賞研究題目:海洋溶存有機物研究の分子レベル的展開
 田上英一郎博士は、1970年代後半から一貫して、海洋における懸濁態有機物および溶存態有機物の化学的特性とその動態について広範な研究を展開し、生物有機的海洋像の確立に資する先導的研究成果を挙げてきた。ー中略ー 同博士の提唱する海洋有機物像、また海洋有機物での分子レベルでの新しい解析方法、およびその動態を明らかにする視点と研究芳香は、海洋有機地球化学分野に大きなインパクトを与えるものであり、高く評価される。また同博士は、海洋や湖における溶存蛍光性有機物質の実体解明および北太平洋から南太平洋に至るマッピングなど多岐にわたる最先端に立った研究を続けている。以上の理由から、田上英一郎博士を地球化学研究協会学術賞(三宅賞)の受賞者として推薦する次第である。(賞選考委員会選考理由書抜粋)

●国際開発学会賞優秀賞

受賞者 井村 秀文(環境学研究科・教授)
受賞日 2006年11月25日
受賞理由など
 国際開発学会においては、国際開発学の分野における優れた著作を毎年1件程度選び優秀賞あるいは奨励賞を授与しているが、2006年度、井村秀文とミランダ・シュルールスの共編による”Environmental Policy in Japan” (Edited by Hidefumi Imura and M. A. Schreurs, Edward Elgar, 2005)が優秀賞に選ばれ、本書の重要部分を執筆及び編集した井村に対して賞状が授与された。賞状文面によれば、本著作の業績は抜群であり日本における国際開発学の水準向上に寄与するところ顕著であると認められた。なお、本著作は、世界銀行研究所の依頼により、受賞者がリーダーとなって、国内外11名の研究者からなるチームを編成し、日本の環境政策をレビューし、その成功と失敗の要因、途上国への移転可能性などについて幅広く分析したものである。1999年に作業開始して以来、上梓まで約6年を要したが、1960年代の公害問題の時代から2000年代の地球環境問題の時代までの変遷を総合的に扱った英文著作として、その意義が評価されたものである。


●Best Concrete Technology Award
受賞者 丸山 一平(環境学研究科・助教授)
受賞日 2006年11月8日

受賞理由など
 2nd Asian Concrete Federation Conference(第2回アジアコンクリート連盟国際会議)において受賞。

受賞者からの一言
 日本におけるコンクリート用骨材は有限な資源であり、今後その減少が危惧されている。受賞論文は骨材をコンクリートから取り出すために、骨材性能を改質する手法を研究したものであり、東京大学・首都東京大学・理科大学と共同で研究したものである。名古屋大学では、特に構造性能の検証を担当した。まだ、いくつか課題が残っていると考えるが、国際的な評価を得た点に関しては大変うれしく思う。

●原子力・放射線安全管理功労表彰
表彰者 西澤 邦秀(アイソトープ総合センター・教授)
賞状授与日 2006年11月8日
表彰理由など
 放射線取扱主任者として、放射線安全管理の業務に多年にわたり従事し、安全確保へ尽力するとともに、放射線安全管理のコンピュータ化等の放射線安全管理に関する技術開発に努め、かつ日本放射線安全管理学会の設立においては中心的役割を果たすなど、安全確保に貢献した。
 *財団法人 原子力安全技術センター
 原子力・放射線安全管理功労について 参照

●第135回水路記念日における本部長表彰
表彰者 海津 正倫(環境学研究科・教授)
表彰授与日 2006年9月14日
表彰理由など
 沿岸防災情報図の整備における助言および指導に対して。(第四管区海上保安本部より)

●水文・水資源学会国際賞
受賞者 安成 哲三(地球水循環研究センター・教授)
受賞日 2006年8月30日
受賞理由など
 アジアモンスーン・エネルギー・水循環観測計画(GEWEX Asian Monsoon Experiment, GAME)は世界気候研究計画(World Climate Research Programme, WCRP)の副計画である全球エネルギー・水循環研究計画(Global Energy and Water Cycle Experiment, GEWEX)のもとで実施されたアジアで初めての複合的な大陸スケール観測実験プロジェクトである。またわが国においては、水文・水資源学分野,気象学分野の研究者が密接に協力し、アジアの研究者、気象機関、水文機関と包括的に連携して進めたわが国初めての国際共同プロジェクトである。GAMEの主要な部分はわが国では科学研究費補助金特定領域研究として推進されたが、科学技術・学術審議会学術分科会による事後評価では、「気候・水文モデルに必要な広域かつ詳細なデータが計画班の緊密な連携のもとに収集・解析され、森林伐採による気候変動などにも適用できるようになっており、十分な成果が得られたと判断される。気象予報や生態圏の保護発展にもつながる社会的価値のあるデータであることから今後のデータ公開や体系化にも期待したい。」と高く評価された。
 表彰者の安成哲三氏は、GAME国際科学パネル議長、GAME実行委員会委員長、特定領域研究の研究代表者として、水文学、水資源学、気象学に関わる多くの国内外の研究者、政府機関を束ね、わが国の、そしてアジアの、科学技術国際研究の金字塔ともいえるこの国際共同研究プロジェクトを成功に導いた。


●地球環境貢献賞
受賞者 園田 益史((株)ISOWA)H17年度本学修了生
  大西 暁生(総合地球環境学研究所・上級研究員)H17年度本学修了生〔連名〕
  白川 博章(環境学研究科・助手)〔連名〕
  井村 秀文(環境学研究科・教授)〔連名〕
受賞日 2006年7月29日
受賞理由など
 本発表論文(「食料需要モデルを利用した黄河流域の農業用水消費に関する研究」)は、中国黄河流域を対象として、食糧需要の変化が流域内の農業用水の消費に与える影響を考察したものである。本研究では、家計における消費品目の選択行動、黄河流域内外の食料の輸送に関する2種類のモデルを利用し、家計における食料需要の変化に伴う農業用水増加量、流域内外での食料輸送量を推計している。中国では、急速な経済発展により水資源需要が逼迫しており、経済性や環境を考慮して最適な水資源利用を実現するための方策を検討していくうえで、本研究は有益であると考えられる。第14回土木学会地球環境シンポジウムでは、研究内容が今後、地球環境を考えるうえで、貢献し得るに相応な内容であったため、ここに表彰するものとします。


●Certificate of Excellence for Distinguished Presentation
受賞者 周 新(環境学研究科・D3)、井村 秀文(環境学研究科・教授)〔連名〕
受賞日 2006年7月29日
受賞理由など
 本発表論文("China's Regional Ecological Footprint and Decomposition Analysis")は、土地利用を対象とした持続的発展の評価指標であるエコロジカルフットプリント(EF)を用いて、中国各地域のEFを算定するとともに、地域間の経済的な相互依存関係が各地域のEFにどのような影響を与えているかを分析したものである。本研究では先ず、土地利用を、農林水産業に利用された土地、人工的に改変された土地、CO2吸収源として必要な森林に分類し、中国の各地域が生産活動を行うことにより発生するEFを、土地利用別に算定している。次に、各地域内の最終消費を、他地域からの財の移入、消費された財の種類や量に関するファクターに分解し、各地域で発生するEFがどのファクターに依存しているのかを分析している。本研究で得られた成果は、中国のみならず各国が持続的発展を考慮した政策を策定する際に、有用な示唆を与えるものと考えられる。そこで、第8回土木学会インターナショナルサマーシンポジウムでは、研究内容が独創的で且つ優秀なプレゼンテーションであったため、ここに表彰するものとします。


●Gordon Research Conference 2006 "High Pressure, Research At"
 Best Poster Award
受賞者 奥地 拓生(環境学研究科・助手)
受賞日 2006年6月29日

●土木学会環境賞
受賞者 林  良嗣(環境学研究科・教授)、加藤 博和(環境学研究科・助教授)
受賞日 平成18年5月26日
受賞理由など
  交通活動は世界的に、地球温暖化や大気汚染・騒音といった環境問題の主因の1つであり、先進国、発展途上国双方において様々な対策の取り組みがなされてきた。しかし、交通活動に伴う環境影響の発生メカニズムは非常に複雑で、土木工学・経済学・化学・自動車工学・政治学など多くの専門分野にまたがるため、問題の理解が断片的になりがちであった。また、国・都市で独自に培われた対策の経験が他地域に参考にされなかった。交通活動に伴う環境問題を適切に解決するためには、各国でとられた対策の経験を他の国々が共有できる知識ベースとしていくことがきわめて重要である。この問題意識に基づき、交通環境問題に感心を寄せる世界20ヵ国の研究者約50名が参加し、受賞者らが中心となって実施した国際共同研究プロジェクトがCUTE(International Comparative Study on Transport and the Environment)プロジェクトであり、交通活動が環境に及ぼす影響メカニズム、とるべき戦略・政策の切り口、および政治的課題が体系的に整理された。自動車の歴史、交通システムと土地利用メカニズム、エンジン・燃料と排ガスの影響、交通と土地利用の戦略と政策、21都市の交通と環境の状況及びグッド・プラクティス、環境に関する国際的政治情勢と資金メカニズムなどの知見は書籍(英語版と日本語版)にまとめられ、この分野において高い評価を得ている。以上の理由で本プロジェクトは環境賞を受けるに相応しいと判断した。


●日本気象学会藤原賞
受賞者 中村 健治(地球水循環研究センター・教授)
受賞日 平成18年5月23日
受賞理由など
  中村健治氏は約30年にわたり、地球研究の最も重要な課題の一つといえる降水過程の研究について、特に衛星観測の面からの研究を中心に尽力してきた。その研究の果実として、全球規模、特に中緯度・熱帯での降水分布の特徴を明らかにするとともに、降水雲の3次元的構造を解明するなど、降水について新しい視野から知見を深めた。これらは、大気科学における極めて価値ある先駆的成果である。これにより、降水についての長年の懸案であった問題が初めて明らかにされ、地球上の未知圏が大幅に縮小されたといえる。しかし、その一方で数多くの意外な事実も発見されるなど、大気科学に新たな研究の地平を拓いている。例えば、気候モデルで示されている降水の日変化と観測事実の日変化とでは大いに様相が異なることなど指摘している。このような成果から、気候モデルの改良に大きなヒントが得られるものと期待できる。
 降水過程のそのような観測的研究を可能にされた一つの要因は、熱帯降雨観測衛星(TRMM)プロジェクトと中村氏との深い係わりである。米国主導ではあるが国際的なそのプロジェクトの主要メンバーとして初期の段階から中村氏は参加しており、研究開発や実務面の中核的活動を長年続けてきた。中村氏がこのプロジェクトにおいて示した研究成果や果たした貢献は、多方面にわたっているが、特に観測技術上の数々の困難を克服して、研究レベルの今日の高水準化を先導した点などが注目される。その代表的な業績として、衛星から降水観測を精度よく行うための基本的なアルゴリズムを開発し実用化したことは特筆に値する。また、次世代の全球降水観測ミッション(GPM)に向けても、2周波数降水レーダに関する新たな技術開発を率先して行っている。
 降水の衛星観測の結果に基づき、数多くの研究者が降水過程の研究を推進し、それらの成果として世に出た論文は、数100編に上がるとみられる。そして、このような活発な研究活動の中から優秀な若手研究者が数多く育っていて、この面での中村氏の大気科学発展に果たした役割も大きいといえる。また、アジア地域の水の大型研究プロジェクトであるGAME計画の国内事務局の事務局長としても中村氏はその発展を支えてきた。
 以上のように、中村健治氏は、個の研究者として、また、研究グループのリーダーとして、国内はもとより国際的に活発な研究活動を行い、地球気候の中心テーマである降水過程の理解を着実に前進させた。この功績を高く評価し、日本気象学会は中村健治氏に2006年度藤原賞を授賞する。


●コンクリート工学協会賞(奨励賞)
受賞者 丸山 一平(環境学研究科・助教授)
受賞日 平成18年5月19日
受賞理由など
  本研究(「水和反応モデルに基づく若材齢コンクリートのモデル化」)は、初期材齢のコンクリートの自己収縮に起因するひび割れ問題や、従来から制御を求められている温度ひび割れ問題に対して、より詳細な性能設計を可能とすることを目指している。一連の論文では、すでに友澤らが提案している水和反応モデルを、セメントの粒度分布と粒子間の接触を考慮してより汎用的なモデルに改良している。このモデルを用いて、コンクリートの断熱温度上昇の予測を行い、さらにマスコンクリート中の温度・収縮応力に関して詳細な解析的検討を行っている。すなわち、コンクリートのひび割れ問題をセメントの水和反応の段階から定量的に把握するための取り組みがなされている。独創的で学術的価値の高い論文であると思われ、今後、コンクリート工学論文集などのフルレポートとして報告することが望まれる。これらの研究成果は、コンクリート工学の将来の発展に寄与するところが大きいと期待される。
 よって、ここに日本コンクリート工学協会賞(奨励賞)を贈るものである。


●国際交通安全学会賞(業績部門)
受賞者 林  良嗣(環境学研究科・教授)、加藤 博和(環境学研究科・助教授)
受賞日 平成18年4月21日
受賞理由など
  国際共同研究CUTE(International Comparative Study on Transport and the Environment)プロジェクトは、中村英生氏のイニシアティブにより、運輸政策研究所と世界交通学会(WCTRS)との共同プロジェクトとして各分野を代表する欧・米・日の研究者によって開始されたものです。世界交通学会「交通と環境」分科会委員長の林良嗣氏がプロジェクトリーダとなり、Tony May氏(英)、Werner Rothengatter氏(独)、Genevieve Giuliano氏(米)、Daniel Sperling氏(米)、宮本和明氏(日)がテーマ別リーダーを務めています。この研究の成果は書籍としてまとめられ、2004年にElsevierから英語版が出版され、日本語版もほぼ同時に(財)運輸政策研究機構から出版されました。
 本書では、交通部門の影響に関する従来の学術書が、国際的にみても、いずれも個別の調査研究成果を列挙する段階にとどまっていたことに鑑みて、最新の調査研究結果を盛り込みつつ、単なるトピックの羅列とならないことに最大の注意を払って編集作業が進められています。研究プロジェクト参加メンバーからリードオーサーを選び、その主導のもとで、各節の執筆を世界的に見て最適任の研究者や実務家が分担しています。さらに、本研究の目的が、交通にかかわる環境問題の一般的メカニズムを理解するにのみならず、世界の各都市で推進されている種種の実践に関する経験(グッドプラクティス)を共有することにもあるため、これらの都市における実践に造詣の深い研究者も著者に加わっています。
 本プロジェクトはわが国の研究者が中心となった密度の濃い国際プロジェクトであり、その成果の結果としての本書の出版は、今後の交通分野における環境問題の研究・教育・啓発面での国際的貢献に著しいものがあることから、本年度の業績部門の受賞に資するものとして極めて高く評価されました。


●水産海洋学会 論文賞
受賞者 才野 敏郎(地球水循環研究センター・教授)
受賞日 平成18年4月8日
●日本地理学会賞(奨励賞) 受賞
受賞者
  石川 菜央(環境学研究科・D2)
受賞日
  2006年3月27日

受賞理由など
 本論文は、日本の伝統行事の一つとしてよく知られている宇和島地方の闘牛を取り上げ、詳細なフィールド調査を通じて、いささか行事の性格が異なる宇和島市と南宇和郡との対比という形式をとり、その存続要因に対して、観光化と行事担い手の役割の両面に着目しながら解明・考察を試みた優れた実証的研究と評価できる。とくに、闘牛行事の担い手の中核を成す牛主・勢子・ヒイキの3種類の人々の地域的分布や行事に関わる各々の動機などを克明に調べ、彼ら3者の関係が運営組織内に構築されている点が、きわめてこの行事の存続にとって重要と説いている。従来、ややもすれば観光化に力点を置くこの種の研究が多い中で、伝統行事を支える当該地域内外の人々の交流過程・人間関係や参加する人間個人のレベルにまで踏み込んで地域的背景を探ろうとする筆者の姿勢は、今後地理学の立場からこの分野を追求する際の新たな視点を提示する意欲的な研究と評価できる。


●日本生態学会優秀賞 受賞
受賞者
  富田 啓介(環境学研究科・D1)
受賞日
  2006年3月25日

受賞理由など
 日本生態学会は,若手研究者を奨励するために,優秀なポスター発表に賞を贈ります。分野ごとに審査を行い,各分野で「最優秀賞」(1名;"該当者なし"もある)および「優秀賞」(1,2名)を選出します。審査の要点は(A)短時間でポスター発表の魅力を伝える能力(B)発表技術(C)研究の質です。(第53回日本生態学会大会(新潟大会)「ポスター賞のお知らせ」より)
 あなたの研究発表(「どのような湿地で絶滅したか:愛知県におけるシラタマホシクサの減少」)は、第53回日本生態学会大会(新潟大会)ポスター賞「保全・都市生態」分野において、研究内容、発表技術がともに優れていると評価されましたので、ここに表彰します。(表彰状より)


●日本原子力学会バックエンド部会業績賞 受賞
受賞者
  市川 康明(環境学研究科・助教授)
受賞日
  2006年3月25日

受賞理由など
  高レベル放射性廃棄物処分で最も重要な分野の一つであるベントナイトの長期健全性の研究に対して大きな業績があるとともに、バックエンド部会誌にも関連する論文などを数多く投稿し、掲載されたため

受賞者からの一言
  日本の電力の1/3を担っている原子力発電では、放射性廃棄物の処分が急務となっています。安全な処分技術の開発とその社会的な認知に向けて微力を尽したいと思っています。


●Kentucky Colonel 受賞
受賞者
  海津 正倫(環境学研究科・教授)
受賞日
  2006年3月20日

受賞理由など
  私の受けたケンタッキーカーネル (Kentucky Colonel)は、本来、ケンタッキー州に大きく貢献した人物に与えられてきた、ケンタッキー州政府(Comonwealth of Kentucky)知事から贈られる名誉称号で、これまで多くの人達がその称号を受けています。
 この称号を受けた人としては、多くの政治家や文化人などがいるとのことで、タイガーウッズやモハメッドアリもこの称号を受けているそうです。また、その称号と共によく知られているのはケンタッキーフライドチキンの創始者であるカーネルサンダース(Colonel Sanders)です。彼の本名はHarland Sandersですが、この称号を受けてからはカーネルサンダースとして知られています。(蛇足ですが,私もカーネル海津とよばれる資格ができたということになります。)
 私がその称号を受けたのは、このたびケンタッキー大学(ケンタッキー州立大学)で招待講演をおこなった際で、称号はケンタッキー大学地理学教室(P.P Karan教授)の推薦によるものです。
 推薦理由については伝達式の際に口頭で紹介されましたが、これまでのバングラデシュやタイ、ベトナム、インドネシアなど南アジア・東南アジアでの海岸環境に関する研究活動や津波災害に関するアクティブな仕事に対してということでした。また、そのほかに名古屋大学の地理学教室が、全国の地理学教室の中でも極めて高い水準を持っていること、私がその主任教授であるということも紹介されました。
 当初、この称号を受けた人は日本人では熊本県知事や首相を務め羅得た細川護煕氏に次いで2人目と聞いていたのですが、実際にはこの称号を受けた日本人は多くいるようです。


●まちづくり部門都市景観(奨励)賞 受賞
受賞者
  西澤 泰彦(環境学研究科・助教授)
  *受賞団体(瑞穂うるおいまちづくり会)に会員兼監査として参加
受賞日
  2006年1月31日

受賞理由など
  この会は、瑞穂区内に残る大正〜昭和期の「洋館付き和風住宅」などを調査し、データを整理して手描きイラストマップとして集約。各種のイベントにおいて印刷したマップを配布したり、住宅の模型を展示して、それらの魅力をアピールしている。老朽化し住みにくくなり、取り壊されていく運命にある建物を、何とか記録にだけでもとどめたいとの思いによる活動である。これまでの地道な積み重ねを評価しつつ、この動きが次のステップに発展していくことを期待して、「奨励」賞とした。