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このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

感謝する気持ちを持つことが頑張れる原動力

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都市環境学専攻 持続発展学系
李 時桓 准教授
本教員のプロフィール

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感謝する気持ちを持つ楽しさ
(猛暑日の室内環境実験)
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感謝する気持ちを持つ楽しさ
(真冬日の室内環境実験)
頑張るための活力をどこから見出していますか?
2022年4月1日に着任したばかりの私が、学生から初めて受けた質問はこれでした。一瞬、「ワ!難しい質問ですね!」と言い返しながら、「それは、感謝する気持ちを持つことではないですか?」と答えました。感謝する気持ちを持つ人は相手のことも愛する人であり、相手を愛する能力があるとその相手のためなら何でもできそうな気持が浮かび上がると信じている私は、感謝する心が全ての始まりだと思います。質問した学生がこれを納得したのかどうかは未だに分かりませんが、首肯いてくれたからほっとしております。
私は、今まで一生懸命、建築を勉強し、大学教員としても建築学概論、建築設計、建築環境・設備などを教えていますが、「建築」と言うものはまだまだ分からないことだらけです。建築と言えば、哲学だ、歴史だ、宗教だ、権力だ、芸術だ、お金だなど、色々な話を聞きながら学んで参りましたが、私が考える「建築」とは人間のためのものであり、住みやすく、安全でかつ快適な環境を提供し、暮らす人に活気を与える(相手を愛する力!)のではないかと思っております。むしろ誰かが「これが建築だ!」と言う人を見つけたら是非、教えてください。
私は、幼い頃から何かを破壊することがとても好きだった子で、オモチャやテレビ、パソコン等、何かと壊してしまうと「ワ!楽しい!」と感じました。その私は、建築を専攻としながら、どのように建てる建築が良いのか悩んで行くべきだったにも関わらず、逆にどのように壊して行けば良いのか真剣に悩んでました。このような経緯から、建築に関わる私は、機械工学科に行って「材料力学、破壊力学」などを学び、化学工学科に行って「火薬管理」などを学びました。更に、建築学科では「構造力学」などを学びながら建築物の弱点はどこだろうかに興味を持ち、勉強しました。続けて勉強して来たらきっと(?)、多分(?)、建築破壊工学者として活躍しているのではないかと思いますが、残念ながらその夢は叶いませんでした。
路線を変更した私は、「相手を愛する力!」は捨てず、誰かのために何とかできるものを常に探し、現在は、建築空間内の居住者がより安全で快適な生活を可能とするための様々な技術開発を行っている最中です。例えば、母から聞かれた「部屋の中のホコリはどうやって簡単に除去できるの?」、友から聞かれた「夏場にどうやって涼しく過ごせるの?」、先輩から聞かれた「ウィズコロナ時代にてウイルス感染リスクを低減するソリューションとは?」、企業から聞かれた「省エネ社会を目指す新たな技術とは?」など、人間工学から地球環境学まで、常に周りの方々が持つ疑問を解決するために努力しております。
以上のことより、「人間の幸せとはなにか?」と言う疑問の答えにもなるかと思いますが、まだまだ未熟な私は、「幸せとは、世の中の全てに感謝することではないか?」と強く信じております。感謝する気持ちから始めた自分の小さな努力が、世の中を変化させ、世界平和に繋がって行くと信じ、またそれが私の使命だと思います。さあ、一緒に頑張って行きませんか?
(い しふぁん)

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