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課題9 46億年の歴史

 地球は、岩石および水・有機物など多様な物質が数千万年単位の長期間にわたり大循環しながら生態系を育む温暖な海洋、大気、地表などの表層環境と海洋を安定させている太陽系唯一の惑星である。 地球の表層環境は、中長期的には風化による負のフィードバック効果により大気中の二酸化炭素濃度が保たれ気候を安定化させることで生命の進化を促してきた。 しかし、短期的には産業革命以降に顕著な地球温暖化が、人間を含む全ての生命に危険な環境水準へ急速に移行する可能性がある。
 地球の歴史に比べて、人間が生活を始め、さらに集落、都市をつくり始めてからの歴史はごくわずかであるが、地球とそこに存在する生態系に多大な影響を与えてきた。 人間が認識してきた時間軸に基づいて作られた人工物としての人間の生活圏が、地球が持つ時間軸によって生じる地球環境変動に悪影響を与えているとすれば、その整合性を取る必要がある。 これまで人間が積み重ねてきた生活圏の形成を見直し、同時に時間軸の差異によって生じる不整合な状況を解消する方法を考えていきたい。
 人間は、地球環境と有限な資源に「価値」を見出し利用しながら社会関係を織り成し歴史を形成している。公共財である環境は、私益の追求と社会的ジレンマのなかで長期的に価値を破壊されがちで歯止めは効きにくい。 短期的視野を乗り越えさせる新しい価値の創出はいかにして可能になるのだろうか。
 本課題では、地球46億年の歴史に依拠した事象・対象について、地球惑星科学から人文科学までの複眼的な視点をもって数億年単位から数年単位までの時間軸を縦横無尽にあてはめながら読み解き評価することにより、 環境学への「新たな価値」の創造を図り、そこに到達するまでの過程自体を教育に還元させていくことを目指したい。

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拡大 約7億年前の全球凍結事件を記録した大露頭。
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約7億年前の全球凍結事件を記録した大露頭。氷河性堆積物の上に温暖な環境で生成される石灰岩が厚く堆積している。(アフリカ、ナミビア)

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拡大 名古屋大学豊田講堂。 1960年竣工。
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名古屋大学豊田講堂。1960年竣工。2007年12月15日改修竣工。2011年国登録有形文化財に登録。




世話人

顔写真 道林 克禎 教授

地球環境科学専攻・地球惑星科学系
地殻-マントル変動・構造地質学・岩石鉱物学・岩石物性
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顔写真 西澤 泰彦 教授

都市環境学専攻・建築学系
建築史・近代建築・保存-再生
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公開シンポジウム・研究会

企画「『気候適応の日本史』を聞く・読む・語る座談会」
日時:2022年3月29日(火)10:00-12:00

場所:オンライン開催
趣旨:中塚武教授が著した『気候適応の日本史-人新世を乗り越える視点』
(吉川弘文館、2022年3月)を題材に著者の思いを聞きながら(聞く)、
歴史家による同書の読み込み(読む)、それらを踏まえた意見交換によって(語る)、
現在生じている地球規模課題、時間スケールが異なる地球の歴史と
人間の歴史の三者の関係を読み解き、地球規模課題の解決に向けた知見を
少しでも得ていきたいと思います。

座談会プログラム
1.著者に聞く「気候適応の日本史」【中塚教授】
2.歴史家が読む「気候適応の日本史」【東大・村 和明准教授】
 〔この間に休憩10分程度〕
3.みんなで語る「気候適応の日本史」 
 【世話人(道林+西澤+杉谷+丹辺)+著者+歴史家】

申し込み:nszw@nuac.nagoya-u.ac.jp 宛にご所属・ご氏名をお知らせください。 
申し込み締切:2022年3月28日(月)17:00まで

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