ホーム > 環境学と私

このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生ががそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

多様な主体と向き合うためには

顔写真

社会環境学専攻 経済環境論講座 2015年博士前期課程修了
平野 舜

写真
市民協働での調査の様子
私は社会環境学専攻経済環境論講座に在籍中、再生可能エネルギーと技術進歩の関係性についてモデルなどを用いて研究していました。修了後は自分が研究してきたことを行政の制度設計に活用したいと思い、公務員になりました。
現在の部署は、生物多様性の普及啓発や生きもの情報の収集、市民団体と協働での生きもの調査や保全活動の実施など生物多様性の保全に向けた取り組みを行っています。2010年にCOP10(生物多様性条約(CBD)第10回締約国会議)が名古屋で開催され、それ以降、身近な自然の保全に取り組む地域の活動が活発に行われてきました。COP10から10年を迎えるにあたり、保全活動の更なる活性化が求められています。しかしながら、保全活動を実施している方の高齢化が進んでおり、学生など次世代への活動の継承が課題となっています。
現在の部署に配属された当初は、自分の研究とは直接関係がない分野ではないかと思いましたが、その考えは徐々に変わっていきました。私の業務は、保全活動を実施するにあたり関係する団体や機関との調整をすることです。
例えば、ある緑地で希少な生きものの保全活動を実施する場合、その緑地の管理主体やその緑地を中心に活動している保全団体との調整、生きものの保護の方法について専門家の意見を聞きとるといったことが重要となります。しかし、それぞれの主体にはそれぞれの考え方があり、最終的な目的地は同じであるにも関わらず考え方の違いによってうまく話が進まないことがあります。また、保全活動の規模が大きくなればなるほど関係する主体の数は多くなっていき、ますます調整が難しくなっていきます。その際に重要となるのは全体を見渡せる客観的な視点であり、そこに自分が研究をする際に重視してきた、データを客観的に分析するという姿勢を役立てることができるのではないかと思い、日々仕事に取り組んでいます。
生物多様性の保全をはじめとした環境問題には様々な主体が関係しており、さまざまな考え方があります。これからも環境学研究科で養ってきた客観的な視点を持ち分析する力で仕事に取り組んでいきたいと思います。
(ひらの しゅん)

PAGE TOP