ホーム > 環境学と私

このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

ピンチをチャンスに変える環境

顔写真

社会環境学専攻地理学講座 博士前期課程 2018年修了
加藤 亮輔

写真
バスルートの現地調査
私は、自動車をはじめ、鉄道やバス、航空機など、いわゆる乗りものが好きという男の子が、そのまま歳を重ねたような人間です。現在、建設コンサルタントとして公共交通の業務を担当しており、好きなことを仕事にする喜びと、その反面難しさを抱えています。
公共交通の徒歩圏域外の交通空白地域に、自治体などが新しくバス路線を作る計画をたてると、新規路線の沿線となる予定の住民の方々と、細かなルートやバス停についてのワークショップを行い、コツコツとバスの運行に関わる要素が決まっていきます。
当然ですが、好きなだけでは実務側の難しさは伝わってきません。法律や専門用語を交えた手続きを進めるという、運行されるまでの段取りについて難しさを感じることがあります。しかし、永遠の課題となるだろう、交通という分野を超えた知識や知恵などを必要とする場面とたびたび出くわすことに、一番の難しさがあると気づきました。
まちづくりでは、長年その分野に携わってきた人でも答えが出せないことがあります。それは唯一の解がないからだと思っています。私一人や担当するチーム内で答えに至らない場合には、より広い範囲に意見を求めたり、図面や資料を広げてアイデアを出し合ったりします。このとき、自発的に行動を起こして、意見聴取やアイデア出しの企画をするのは、悩んだ本人です。ある程度組み立てたものを引っ提げたうえで、あれやこれやとヒントを頂き、より良いものをつくり上げます。
現在では、私が運行までの段取りに携わったバスが運行しており、自分自身が好きなものに一から関わることができたことと、社会に貢献する仕事ができたことに対して、大きな充実感・達成感を感じています。
環境学研究科では非常に幅広い分野について学ぶことができます。「ピンチはチャンス」とどこかで聞くように、何かの壁に当たった時にヒントを求めるという行動を起こすには、最高の環境ではないかと思っています。そうした環境から、現職での問題解決の段取りに繋げていける部分があるように感じています。
(かとう りょうすけ)

PAGE TOP