名古屋大学大学院環境学研究科今号の表紙から読み解く環境学のキーワード30環境学研究科 地球環境科学専攻 教授環境学研究科 都市環境学専攻 教授 環境学研究科 社会環境学専攻 准教授 環境学研究科 附属持続的共発展教育研究センター 教授 2022年2月の平日、朝7時前。JR高山線白川口駅前は閑散としていた。この駅に仕事で初めて行ったのは2015年11月。最寄り駅とする岐阜県白川町・東白川村の路線バスが利用減少と運転手不足で継続困難に陥ったというSOSを受けてかけつけた。翌年4月には平日の便数が半減し土休日は全休。自力での高校通学が不可能となる地区が出た。ここから地域の皆様、役場の皆様、交通事業者の皆様と何度も懇談し、地域内をくまなく回り、高校通学をはじめ生活に必要な「おでかけ」ができる地域をめざして検討。2018年10月の新しい公共交通システム運行開始にこぎつけた。それまでは下の写真のように、7時前の駅前は高校生を送るクルマがたくさん来て、前の国道まで大渋滞となっていた。ところが現在はほとんどクルマはおらず、各地からやってくるバスから高校生が整然と列車に乗り換えていく。駅前が閑散としているのは成功の証である。帰りは17・18・19時台の3本から選べてスマホ予約でき、経費を抑えつつ利用者を大幅に増やした。送迎されていたご家族の負担も軽減。人口減少率・高齢化率県内トップを返上すべく、地域の「おでかけ」革命は今も進行中。まだまだ手綱を緩めるわけにはいかない。環境学研究科 持続的共発展教育研究センター 教授加藤 博和エコラボトーク都市を乗り越える心地よいソーシャルディスタンスをめざして高野 雅夫小松 尚 中田 実 加藤 博和(司会)環境学の未来予測 30竹内 誠/長尾 征洋/鈴木 康弘環境学の授業拝見! 名大さんが行く 30vol.422022 spring
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