壺造りカーストの通婚金レートが格段に低いバングラデシュ社会へ就業復帰出来ず、ブラブラしている。彼らの頭の中は再度の出稼ぎしか無く、かといってその道は厳しく、そしてたとえうまくいったとしても、再び長期間家を空けることになり、行き着く先は家族崩壊となりかねない。この出稼ぎに関する問題は、単に壷造り村にとどまるものではなく、バングラデシュ全村にかかわる重要な問題である。ヒンドゥーの結婚はそのカースト(ジャーティ)の枠にしばられて、異なったカーストとの通婚はタブーとされてきた。パルはパルとしか結婚できないのである。このカースト内婚という社会規範が一体どれほど守られているのだろうか。壺造りの村で悉皆調査した結果を以下に示してみよう。ポストカムリ村の壺造りカースト全48家族において、嫁入り総数61人中58人が同じ壺造りカーストの出身であった。かなりの高率である。しかし、3人の嫁が他のカースト(2人はコルモカール:鍛冶職、1人はボニック:雑貨商)から嫁いで来ていたことは、カーストの壁は完壺造りカーストの日常 ─ 生業と通婚 ─【写真5】サリーのプリント工場 (2004.9.3撮影)06
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