実は、藤原書店に(2冊の赤い本と一緒に)持ち込まれた企画書には、71トピック(24コラム)が記載されていた。なるべく多くの執筆者を動員することで、環境学研究科全体での取り組みという意味合いを持たせたい、という希望が増澤先生にあったからである。しかし、2,000円前後という希望価格に対して分厚くなりすぎるという理由で、それはあっさり却下された。最終的に51トピック(14コラム)になったが、これはあくまで私たちが考えた環境学研究の構成と環境学研究科のスタ「伊勢湾とその流入地域」というのも、語感の悪さに加え、環境問題のグローバルな広がりに比してあまりにもローカルすぎる印象を与えてしまったようだ。こちらの方は、その後、林良嗣先生の発案で「伊勢湾流入圏」に変わり、最終的にいくつかの政策文書で使われていた「流域圏」という用語に落ち着いた。増澤先生と西澤先生は、その理論的根拠を考えるのに苦心されたが、結局のところ愛知万博によって風が変わった。出版社に「いっそ『名古屋環境学』にしませんか」と言わせるまでになっていた。『環境学研究ソースブック』ができるまで【図2】 ロットリングで描いた伊勢湾流域圏12
元のページ ../index.html#12