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【図1】環境学研究ソースブックの構成概念図三人の間には、いつの間にか何となく役割分担ができあがっていた。増澤先生はずっと棟梁で、肉体的にも精神的にも辛かったはずだ。私がやったことと言えば、執筆者から送られてくるファイルの管理と、十何年も使っていなかったロットリングの製図ペンを超音波洗浄機で洗ったことぐらいだ。ある意味で、藤原書店との交渉を担当した西澤先生の役回りが、出版の成否にとって最も重要な鍵だった。その交渉の中で生まれた、いくつかのハードルを乗り越える作業が、その年の晩秋にかけて続いた。最初、仮題として提案された書名は、『伊勢湾とその流入地域の環境ソースブック』だった。クッキングとプログラミングに関するものを除くとほとんど使用されていない「ソースブック」という用語がまず引っかかり、「環境学研究」を付けたらよかろうということになった。『環境学研究ソースブック』ができるまで11

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