パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校および天津大学建築学院と
合同建築・都市設計ワークショップを開催
大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学コースは、2019年9月16日(月)から20日(金)までの5日間、フランスのパリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校(ENSAPVS)を主会場として、ENSAPVS、天津大学と合同で国際学生建築・都市設計ワークショップを開催しました。「Opening up isolated square to the city」と題された今回の課題では、セーヌ川に浮かぶサン・ルイ島の先端にあるバリー広場(Barye Square)を、魅力的な公共空間として再生する提案が求められました。今回はENSAPVSの大学院生・学部生約80名と天津大学の大学院生5名、そして本学の建築学コース博士前期課程1年の久保元広君、植木柚花さん、内藤稜太君、竹村弘生君、津村智弘君、児玉由衣さん、田淵祐哉君、石原可南子さん、藤瀬壮太君、Fania Octaviaさん、同2年の伊阪遼君の11名が参加し、9つの混成グループに分かれて本課題に取り組みました。WSの指導はENSAPVSのMarco Tabet教授、Boris Weliachew教授、天津大学の鄭穎副教授、そして本学の小松尚准教授が行いました。
このWSは2009年4月以降、両大学の間で締結された学術交流協定に基づき実施されています。毎年4月に名大で、9月にパリで開催しており、パリでのWSに本学の大学院生が参加するのは今回で10回目になります。
提案対象の敷地は、昨年度がシテ島西端のベルガラン広場(Square du Vert-Galant)であったのに対し、今年度はシテ島の東に浮かぶサン・ルイ島の東端という、ちょうど反対に位置します。東に向かってセーヌ川を眺望できる緑豊かな広場ですが、両岸を結ぶ幹線道路で隣接する住宅街からは空間的に切り離されており、日常の利用も余りされていません。また、平常時の水面に対しては6m程高く、親水性も高いとは言えないこの広場を、多くの市民や観光客に親しまれる公共空間に変える提案が求められました。参加した本学の院生は、8月から本課題の分析や建築・都市デザインの提案に参考となる先進事例の収集などの事前学習を行って、WSに臨みました。
WSは例年通り、まず初日にENSAPVSの担当教員から本課題の説明とともに、パリの公共空間の歴史や世界の類似例についての講義を受けた後、対象敷地やその周辺の調査にグループで出かけ、課題の読み取りや提案のポイントについて議論と共有、そしてデザイン検討を開始しました。2日目以降はグループで検討作業を行い、3日目には中間発表会、5日目の夕方には成果発表会とフェアウェル・パーティを開催しました。最終日には成果発表会を行い、各グループが分析結果と提案内容を図面(A1判4枚)と模型(1/100)で発表しました。成果発表会にはENSAPVSの教員や関係者も多数参加し、意見交換と講評を行い、WS担当教員の合議によって各グループに成績(20点満点)が付与され、WSは成功の内に終了しました。
なお、本ワークショップに参加する院生の派遣は、独立行政法人日本学生支援機構の令和元年度海外留学支援制度(協定派遣)採択プログラムとして実施し、教員の派遣等は環境学研究科研究科長裁量経費の支援を受けて実施しました。
《参考》今回および過去のWSの様子や成果については、下記ウェブサイトで紹介しています。
http://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/unique/index.html#pari_tianjin