パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校および天津大学建築学院と合同建築・都市設計ワークショップを開催

大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学コースでは、2017年4月17日(月)から21日(金)までの5日間、名古屋大学東山キャンパス環境総合館1階レクチャーホールを会場として、フランスのパリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校(ENSA-PVS)と中国の天津大学建築学院と合同で、建築・都市設計ワークショップを開催しました。今回はENSA-PVSから都市計画や建築を専攻する13名の大学院生、天津大学から同じく大学院生・学部生14名と名古屋大学建築学コースの大学院生22名(うち2名はNUPACE留学生としてENSA-PVSから名古屋大学に在籍中)の計49名が参加しました。ワークショップの指導はENSA-PVSのBoris WELIACHEW教授、天津大学の鄭穎副教授と何捷副教授、本学の小松尚准教授と4名のティーチングアシスタントが行いました。本ワークショップは、本学の建築学コースとENSA-PVSおよび天津大学の修士課程相当の学生を対象に、異なる文化的背景を持った学生同士が英語を共通言語にして一つの建築・都市デザインの提案をまとめる機会として2009年から開催しています。また本ワークショップは、ENSA-PVSとは2009年度に、天津大学とは2015年度に締結した学術交流協定に基づいて、3校の協力の下、実施しています。例年、4月に名古屋で、9月にパリでWSを実施しており、今回は通算16回目のWSとなります。

今回は「Regeneration of Closed School Site as Cultural Crossing Spot in City Center of Nagoya」と題して、児童数の減少を理由にこの3月に廃校になった名古屋市西区の旧那古野小学校の廃校跡地を新たな文化的な交差点として再生するための建築・都市デザイン提案を検討しました。この廃校跡地は名古屋駅から徒歩5分の位置にあるまさに都心の大きな空閑地と言えますが、再開発が進み、また2027年のリニア新幹線の開通に向けた開発圧力が迫りつつある場所でもあります。一方、その東側には円頓寺商店街や円頓寺本町商店街、四間道など多様かつ個性的な地域資源が存在し、また近年では個性的なイベントや木造民家の飲食店などへの改修転用が進むなど、地域主体のまちづくりが盛り上がっています。よって、この廃校跡地はさまざまな社会・文化・空間要素をつなぐ結節点になり得る場所であり、またそれが期待されています。

そこで、本WSではこのような課題と可能性に対して、水害や火災に対する減災対応も考慮した建築・都市デザインの提案を行いました。具体的には、WSまでに各大学で敷地および周辺分析を行い、その結果を持ち寄ってWS期間中に日仏中の混成グループ(1グループ7名)で建築・都市デザインの提案を検討し、発表するための図面や模型を制作しました。WS初日は名古屋駅周辺の都市計画・まちづくりに関する講義を受け、各大学での事前作業の結果を共有し、廃校校舎の見学の後に本格的なグループ作業に入りました。3日目には中間講評会、5日目の夕方には成果発表会と送別会を行いました。この間、2日目午後には日本建築学会賞を受賞している本学の豊田講堂(槇文彦氏設計)を見学しました。成果発表会では、各グループの調査・提案がA1版4〜6枚の図面と模型によって発表されました。議論や制作時間は短い時間ながら、どの提案もこの廃校敷地の今後の活用や建築・都市デザインのあり方を検討する上で大変参考になる内容でした。なお、この成果発表会には名古屋大学の教員や学生とともに名古屋市の担当課や地元住民の方も来場し、学生提案へのコメントとともに来場者間の意見交換が行われました。

《参考》今回および過去のWSの様子や成果については、下記ウェブサイトで紹介しています。
  http://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/topics/paris/paris.html

写真1
写真1 導入説明 (4/17)
写真2
写真2 事前作業の共有(4/17)
 
写真3
写真3 事前作業の共有(4/17)
写真4
写真4 現地調査(4/17)
 
写真5
写真5 グループ作業 (4/17-19)
写真6
写真6 豊田講堂見学(4/18)
 
写真7
写真7 中間発表会(4/19)
写真8
写真8 グループ作業 (4/20-21)
 
写真9
写真9 グループ作業 (4/20-21)
写真10
写真10 成果発表会 (4/21)
 
写真11
写真11 成果発表会 (4/21)
写真12
写真12 成果発表会 (4/21)
 
写真13
写真13 参加者集合写真 (4/21)
 


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