パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校および天津大学建築学院と合同建築・都市設計ワークショップを開催
大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学コースでは、2016年4月25日(月)から29日(金)までの5日間、名古屋大学東山キャンパス環境総合館1階レクチャーホールを会場として、フランスのパリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校(ENSA-PVS)と中国の天津大学建築学院と合同で、建築・都市設計ワークショップを開催しました。今回はENSA-PVSから都市計画や建築を専攻する15名の大学院生、天津大学から同じく大学院生・学部生14名と名古屋大学建築学コースの大学院生18名(うち2名はNUPACE留学生としてENSA-PVSから名古屋大学に在籍中)の計47名が参加しました。ワークショップの指導はENSA-PVSのBoris WELIACHEW教授とMarc TABET教授、天津大学の鄭穎副教授と何捷副教授、本学の小松尚准教授と宮脇勝准教授、および4名のティーチングアシスタントが行いました。また、3日目からは天津大学建築学院副院長の孔宇航教授と許蓁副教授も参加、指導を行いました。
本ワークショップは、本学の建築学コースとENSA-PVSおよび天津大学の修士課程相当の学生を対象に、異なる文化的背景を持った学生同士が英語を共通言語にして一つの建築・都市デザインの提案をまとめる機会として2009年から開催しています。また本ワークショップは、ENSA-PVSとは2009年度に、天津大学とは2015年度に締結した学術交流協定に基づいて、3校の協力の下、実施しています。
今年度は昨年度と同様、名古屋の都心を特徴付ける久屋大通と新堀川という2つの都市軸をつなぐ敷地を対象に、公共空間や商業・居住空間の整備、新堀川を活かした水と風の道のデザイン、減災等をテーマに、建築・都市デザイン提案を検討しました。この2つの都市軸の接点には「フラリエ」や堀留水処理センター、公営住宅、中学校など公共施設が集積しており、久屋大通公園と新堀川という特徴的な公共空間を空間的につなぐための条件が整っています。同時に、都市スケールと建築スケールの両面から対象敷地を検討し、提案することが重要となります。昨年度との違いは、提案対象となる敷地の設定が少し変更されたことと、WSまでに各大学で敷地および周辺の都市的分析を行い、その結果を持ち寄ってWS期間中に日仏中の混成グループ(1グループ6名が基本)で建築・都市デザインの提案を検討し、発表するための図面や模型を制作することにした点です。
参加学生は7つの混成グループに分かれ、1日目は名古屋の都市計画・まちづくりとランドスケープ・デザイン、アーバン・ファームに関する講義を受け、現地の確認を行った後に課題や魅力を分析、共有し、2日目以降はグループ作業を行いました。3日目には中間発表会、5日目の夕方には成果発表会と送別会を行いました。この間、3日目午前には世界的建築家である槇文彦氏によって設計された本学の豊田講堂を見学しました。成果発表会では、各グループの調査・提案がA1版4〜5枚の図面と模型によって発表されました。議論や制作時間は短い時間ながら、どの提案も今後の名古屋都心の建築・都市デザインの参考になる内容でした。この成果発表会には名古屋大学の教員や大学院生、学部生だけではなく、名古屋の建築・都市デザイン関係者も来場し、学生提案へのコメントとともに来場者間での意見交換が活発に行われました。神沢博環境学研究科長も出席され、最後にコメントもいただき、盛会のうちに終了しました。
《参考》
このWSの様子を収めたTABET教授制作の動画を見ることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=zqTnp03JD5Q
今回および過去のWSの様子や成果については、下記ウェブサイトで紹介しています。
http://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/topics/paris/paris.html