環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  環境学と私
このコーナーでは、環境学研究科の教員がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

 都市計画を「グローカル」な姿勢で

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都市環境学専攻建築学系
准教授 村山 顕人
(都市計画)

連人口基金の「世界人口白書2007」によると、2008年には世界人口の約半数である約33億人が都市で生活し、その後も主に発展途上国で都市人口が急増する結果、2030年には約50億人が都市で生活することになると予測されています。少子高齢化・人口減少時代を迎えた日本でも、大都市を中心に都市人口は増え続けています。ただ、全体として成長している都市でも、その内部に衰退地区を抱えていることは少なくありません。
が専門とする都市計画は、こうした都市を取り巻く経済・社会の変化に応じて、人々が生活する都市空間をうまく計画・マネジメントするための制度、方法、技術を研究・開発する分野です。中でも、農地や自然環境を保全するために都市の拡散・拡大を抑制し、公共交通機関等の都市基盤が整備された都市の適切な場所で人口増加を受容する都市圏レベルの成長管理や、既存の都市空間の改造・改善・修復・保全を通じて魅力的な都市空間を創出・維持する地区レベルのまちづくりに関心があります。
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004年以降、先進国・発展途上国を含む13ヶ国の主要都市を訪問し、都市計画の現場を見る機会に恵まれました。中には、解決の糸口がない深刻な問題を抱える都市もありましたが、どの都市でも、自分達が生活する都市空間の良いところを守り育て、悪いところを直していく、前向きかつ積極的な研究者、プランナー、都市デザイナー、建築家、環境専門家と出会い、刺激を受けました。彼らに感じたのは、世界規模の都市問題・環境問題を意識し、世界の様々な取り組みを勉強しながら、自分達の身近な都市空間の計画・マネジメントに誇りと責任を持って関わる「グローカル(グローバル+ローカル)」な姿勢でした。
古屋に来て1年が経ち、大学のセミナーや実習、県や市町の都市計画行政等を通じて、身近な都市空間の計画・マネジメントに関わる機会が増えて来ました。今後も、「グローカル」な姿勢を忘れずに、環境学研究科の多様な分野の専門家と連携しながら、研究・教育活動に取り組みたいと思います。
(むらやま あきと)

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都市人口が急増するメキシコ・シティの周縁部

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旧工業地区を複合市街地として再生したポートランドのリバー・ディストリクト

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