環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  日本初の天然ダイアモンド発見

 発見の詳細

日本で初めて、天然に産するダイアモンドが見つかりました。本研究科の水上知行博士(日本学術振興会特別研究員)は、愛媛県での露頭岩石中に天然ダイアモンドが含まれていることを発見しました。名古屋大学の採取した岩石をラマン分光法で分析し、東京大学の鍵裕之准教授の協力のもと、その分光学的特徴からダイアモンドと同定できました。発見された結晶は1ミリメートルの約1000分の1程度のサイズですが、これまで日本のような地質環境では産出しないと考えられてきた定説を覆す、画期的な発見です。

ダイアモンドは、通常南アフリカやオーストラリアといった地質学的に古く、非活動的な冷えた(熱活動がおさまった)大陸地域に産しますが、日本列島は活動的で温かく、地質学的に新しい地質からなっており、天然ダイアモンドの産出に関する一般的認識を覆したと言えます。ダイアモンドの存在は、岩石が地下100キロメートル以上の深部から上昇したことを示しています。発見者である名古屋大学の水上博士やサイモン・ウォリス准教授によると、「潜在的な商業価値は評価できないが、この発見の重要性は、日本のようなプレート収束境界において100キロメートル規模の地下から何らかの原因により、地表まで物質がもたらされる事(地質現象)があるということを示した事である」ということです。

【問い合わせ先】
水上 知行(みずかみ ともゆき)
Tel: 052-789-2532
E-mail: miz@nagoya-u.jp