環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 第68回、69回防災アカデミーを開催

 第68回、69回防災アカデミーが4月27日(水)、5月18日(水)に環境総合館レクチャーホールにおいて開催されました。
 第68回は、名古屋大学災害対策室の飛田潤教授により、「揺れをはかる―東日本大震災の揺れと被害から考える振動モニタリング技術の将来―」と題した講演が行われました。講演は、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により被災した大学への緊急調査の報告も交えつつ、地震を含めたさまざまな建物振動の計測に関する研究の話があり、例えば建物の振動をモニタリングすることにより、建物が受けた被害を評価できる可能性あることなど、わかりやすい具体例も示されました。また、講演をとおして、被災した建物の室内で多くの家具が転倒し、散乱している様子が写し出された写真が示され、室内の家具をしっかり固定することの重要性があらためて指摘されました。会場は125名の参加者で満席となり、講演後には活発な議論が行われました。
 また、第69回は、防災科学技術研究所の藤原広行総括主任研究員により、「地震リスクに知で備える―防災科研における地震災害軽減に向けた取り組み―」と題した講演が行われました。藤原氏は、我が国の基盤的な地震動観測網の整備や、地震防災システムの構築に中心的な役割を担ってきた経験をもとに、様々なアプローチによる地震災害の軽減に向けた取り組みが紹介されました。携帯端末を地震計として使い、クラウドシステムでネットワーク化することにより専門家だけでなく多くの人が関わって地震観測網を構築する例や東日本大震災の復興を支援するシステムなど最新の話題を盛りだくさんにお話しいただきました。会場は136名の参加者で満席となり、講演後には東海地方に危惧されている地震災害やその備えについて、興味深い議論が交わされました。
災害対策室のホームページ
今後の予定
7月4日(月) 島崎邦彦(東京大学名誉教授・地震予知連絡会会長)
「東日本大震災の発生予測をめぐる問題」

 写真

写真1
講演する飛田教授
写真2
第68回防災アカデミーの様子
写真3
講演する藤原広行 防災科学技術研究所総括主任研究員
写真4
第69回防災アカデミーの様子