環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 減災連携研究センター・大震災追悼シンポジウムを開催しました

 名古屋大学減災連携研究センターは、3月26日(金)、 IB電子情報館の大講義室において、大震災追悼シンポジウム「大震災−これから何をすべきか?」を開催しました。当初は、昨年12月1日に発足した当センターの設立記念シンポジウムとして計画してきたものですが、今回の東日本での予期せぬ大震災の発生により、急遽、内容を変更して実施することになりました。
 開会に先立ち、鈴木康弘環境学研究科附属地震火山・防災研究センター教授が本シンポジウムの開催趣旨を紹介し、その後、大震災で亡くなられた方を悼み全員で黙祷を捧げました。
 開会の辞では、M口道成総長が大震災について哀悼の意を表し、また、これから我々は何をすべきかについて問題提起をされました。
 シンポジウム前半では、中野秀秋愛知県防災局長が愛知県の支援を説明し、自助・共助の力、広域連携、防災人材育成の重要性を力説されました。その後、減災連携研究センター教員が今回の大震災について現在わかっている状況と、各人の考えをそれぞれの専門から述べました。山口 靖環境学研究科長は、被災体験から日頃の訓練や備えの必要性を話しました。松田直之医学系研究科教授は、名古屋大学救済派遣チームによる24日までの6日間の石巻日本赤十字病院での救援支援活動状況を紹介しました。水谷法美工学研究科教授は、過去の津波被災事例を挙げ、今回の津波、そして津波によって引き起こされた事象について説明しました。山岡耕春環境学研究科附属地震火山・防災研究センター長は、今回の地震のメカニズムと大規模な地殻変動が生じたことについて説明しました。護 雅史環境学研究科准教授は、今回の地震によって引き起こされた様々な被害を阪神淡路大震災と比較しながら整理して紹介しました。
 後半のパネルディスカッションは、コーディネーターに福和伸夫環境学研究科教授、パネリストに金田義行 独立行政法人海洋研究開発機構 地震津波・防災研究プロジェクトリーダー、 鈴木康弘教授、野田利弘工学研究科教授、栗田暢之NPO法人レスキューストックヤード代表理事、隈本邦彦環境学研究科客員教授の5名で行われました。
 まず、各人が今回の大震災で感じたこと・被災地の復興について述べました。そして、どのような支援・協力ができるかを討論しました。また、会場からの質問もいくつか紹介され、それに対応する形で貞観地震津波については、想定外というより未想定であり、想定外という用語の使い方には注意が必要であるとの意見がありました。また、工学(土木建築)、報道、NPOそれぞれの立場でのやるべきことが話されました。
 次に、この東海地域、そして日本はどのようなことに取組めばよいのかについて討論し、それぞれの立場で連携の重要性が話され、パネリストが減災連携研究センターへの期待を述べました。
 最後に、藤井良一理事(減災連携研究センター長)が、改めて今回の大震災被害について哀悼と当センターの役割を確認して閉会となりました.
 今回のシンポジウムについて、中止や延期を視野に入れて連日検討し,その結果、今回の大震災においてなぜこれほどの被害が出てしまったかを真摯に考え、同様の大災害が近い将来に起こることが確実な地域に住む我々に「いったい何ができるか」「何をすべきか」を考えることは、被災者の方々にもお許しいただけるのではないかと考え、開催に踏み切りました。当日参加者は300名を越え、それぞれの立場で減災を考えるきっかけになったシンポジウムでありました。なお、今回のシンポジウムの配布資料、会場からの質問とその回答をHPに掲載しております。また、環境総合館4階に大震災情報収集拠点を開設し、今回の大震災の情報を逐次公開するとともに質問なども受け付けておりますので、御興味のある方は訪れて頂ければ幸いです。
シンポジウムに寄せられた質問と回答
減災連携研究センターのホームページ

 写真

写真1
会場の様子
写真2
パネルディスカッションの様子
写真3
パネルディスカッションの様子