環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 2009年 日本災害情報学会「廣井賞」を受賞 −マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会(NSL:Network for Saving Lives)−

 日本災害情報学会「廣井賞」は、防災情報学の確立に尽力され2006年に急逝された故 廣井 脩東京大学教授の志を後世に伝えるための記念事業であり、本年10月25日、名古屋に拠点を置く「マスメディアと研究者のための地震災害に関する懇話会(NSL)」に対して授与されました。

 NSLは、名古屋周辺地域の大学研究者とマスコミ関係者が、行政担当者も交えて、平時から情報交換をして、相互に学習を重ねることにより、災害時に「この地域を守るための礎を築く」ことを目的に、2001年に設立されました。単なる勉強会や親睦会ではなく、災害時に地域社会をリードすべき専門家同士として、取材者と被取材者という立場を離れ、お互いに切磋琢磨するための貴重な場となってきました。環境学研究科の多くの教員はこの会の設立に深く関与し、マスコミや行政関係等からの参加者の主体性に配慮しつつ、脇役として事務局を担ってきました。

 創立以来8年間に66回にのぼる例会を開催し、地震科学や地震工学の最新の知識や情報を理解し、行政担当者からも地域社会の現状とともに本音の意見を聞き、被害軽減のために成すべきことを考えてきました。丸一日かけて基礎を学ぶための、防災担当記者向け勉強会を開催したり、東海4県下で現地合宿を行って土地勘を高めたり、また、災害情報のあり方を巡る議論を深夜まで延々と続けたこともありました。

 最近では、こうした連携の必要性を他地域の関係者も強く感じるようになり、東京・大阪・仙台・静岡等でも同様の取り組みが始まっています。今回の受賞は、 NSLの、地域に根ざした実直な考え方と、その先駆的な取り組みが高く評価されたものであり、メディア・行政・大学関係者一同、大きな喜びに包まれています。

(以下のホームページにNSLの詳細情報があります。http://blog.goo.ne.jp/nsl2001/

 写真

受賞式の様子
NSLの集合写真
表彰状
盾