環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 第52回防災アカデミーを開催しました

 第52回防災アカデミーが9月9日(水)、環境総合館レクチャーホールにおいて開催されました。今回は、久田嘉章工学院大学建築学科教授による「地域と連携した超高層ビルの地震防災 新宿駅西口地域の事例」と題した講演が行われました。

 1923年の関東大震災や1995年の阪神・淡路大震災という日本を代表する複合型地震災害事例の教訓をもとに、消火・避難に関する実例を紹介され、初期消火や避難行動の重要性を指摘されました。また、内陸地殻内地震と海溝型地震の揺れ方や被害形態の違いを説明されるとともに、首都圏直下型地震で想定される各種被害を提示され、ハード対策の限界を指摘した上で、住民自らが防災行動を起こす必要性について訴えられ、自助・共助の重要性をわかりやすく指摘されました。講演では、超高層ビルの揺れ方の違いをご説明された後、工学院大学新宿校舎でのハード対策、ソフト対策について紹介があり、安否確認・体験型防災訓練の実施およびその効果についての説明がありました。一方、地域での取り組みとして大学と地域住民との協同による地震防災活動が紹介されました。大学を地域防災の拠点とした、社会における共助体制の作り方が丁寧に説明され、現状のソフト防災体制の見直し・是正が重要であることを指摘しました。

 今回の参加者は76名にのぼり、夏休み期間中であるにも関わらず会場はほぼ満席となりました。参加者の地震防災対策に対する関心は高く、講演の後には多くの質問が寄せられていました。

災害対策室ホームページ

今後の予定
10月21日(水) 室崎益輝(関西学院大学総合政策学部教授)
「防災の新しい考え方・・減災と危機管理」
11月11日(水) 溝口常俊(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
「鸚鵡籠中記にみる自然災害」

 写真

講演する久田先生
講演する久田先生
第52回防災アカデミー会場の様子