環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 第51回防災アカデミーを開催

 第51回防災アカデミーが7月14日(火)、環境総合館レクチャーホールにおいて開催されました。今回は、須見徹太郎東京大学大学院情報学環・総合防災情報教育センター教授による「検証2008年8月末豪雨災害〜突発的水害をどう知り、どう伝えたか〜」と題した講演が行われました。

 2000年の東海豪雨における豪雨災害の経験を経て、2008年8月末の豪雨災害時に、行政、メディアなどがどのように情報を収集し住民に伝えたか、克明な説明がなされました。このなかで、多くの住民が避難勧告などの重要度の高い情報をテレビ放送により入手していることや、発令から情報が伝わるまでに数時間を要した場合があったことなど、情報周知の手法やスピード、情報共有の仕組みなどに問題があることが指摘されました。

 また多くの人にとって、災害が発生しうる状況にあることを認識するために、「東海豪雨に匹敵する」という言葉が有効であったことが指摘されました。これは、比較的新しい豪雨災害で記憶に新しいことなどがその理由である一方、東海豪雨時に被災しなかった地域にとっては、逆に安心情報となり得る危険性もはらんでいることなどが指摘されました。

 今回の参加者は132名にのぼり、会場は満席になりました。参加者の豪雨災害に対する関心は高く、講演の後には多くの質問が寄せられていました。

災害対策室ホームページ

(今後の予定)
9月9日(水) 久田嘉章(工学院大学建築学科教授)
「地域と連携した超高層ビルの地震防災 −新宿駅西口地域の事例−」
10月21日(水) 室崎益輝(関西学院大学総合政策学部教授)
タイトル未定
11月11日(水) 溝口常俊(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
「鸚鵡籠中記にみる自然災害」

 写真

講演する須見先生
講演する須見先生
講演会場の様子