環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

Home > トピックス

 第48回防災アカデミーを開催

 4月22日(水)、環境総合館レクチャーホールにおいて、第48回防災アカデミーが開催されました。今回は、「大震災をメディアはどう伝えたか〜阪神・淡路から14年・本当の教訓は〜」と題し、江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授の隈本邦彦先生が講演を行いました。

 1995年1月17日の兵庫県南部地震は、その後の日本における地震防災対策に極めて大きな影響を与えました。当時、マスメディアに在籍されていた隈本先生は、兵庫県南部地震の烈震を出張先の神戸で経験され、神戸市民の被災や救出の状況を限られた機材でいち早く取材されました。その経験から、大災害発生時にメディアが取り上げる映像は、レスキュー隊による救助のシーンや火災発生場所の火炎のズームアップなど、かならずしも災害や救助の真の姿を正確に捉えているとは限らず、視聴者がもつ印象を誤った方向に決定づけてしまう危険性があることを、豊富な資料映像を用いて解説しました。また、大災害を受けても「だれも泣かない社会」を構築することが理想であると主張し、そのために、ひとりひとりが今もっともすべきことは自宅の耐震化(耐震診断・改修)であるということを、極めて明瞭に結論づけました。

 今回の防災アカデミーの参加人数は100名を越え、会場は満席になりました。講演はメディアご出身の隈本先生ならではの、多くの写真や映像で構成されたもので、参加者はそれらの資料を大変興味深そうに見入っていました。

災害対策室ホームページ
(今後の予定)
5月22日(金)  広瀬弘忠(東京女子大学教授)
 「人はなぜ逃げ遅れるか〜災害防衛論入門〜」
6月8日(月)   林春男(京都大学防災研究所教授)
 「リスクに立ち向かう〜組織の危機管理入門〜」
7月14日(月)  須見徹太郎(東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター特任教授)
 「検証2008年8月末豪雨災害〜突発的水害をどう知り、どう伝えたか〜」
 

 写真

講演する隈本邦彦先生
109名の聴衆でうまった講演会場の様子
講演後は耐震補強に関する質問が寄せられました
質問に回答する隈本先生