環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 シンポジウム“環境学の新たな展開 ―科学・政策・市民社会をつなぐ―”を開催

 シンポジウム“環境学の新たな展開 ―科学・政策・市民社会をつなぐ―”が、3月12日(木)、名古屋大学大学院環境学研究科となごや環境大学の共催で、名古屋大学東山キャンパスIB電子情報館にて開催されました。教員、学生、市民など約120名が参加しました。

 はじめに、世界的な環境政策研究者である前カリフォルニア大学サンタバーバラ校環境科学マネジメント研究科長で名古屋大学大学院環境学研究科の客員教授のエルンスト・U・フォン・ワイツゼッカー先生が「科学から政策への橋渡し」をテーマに基調講演しました。ワイツゼッカー氏は、科学と政策の関係について、気候変動、オゾンホール、生物多様性の3つの事例を挙げて、「学問の言葉が通じない」政治の世界を動かすためには、学問の壁を越えた取組みや研究が重要だと話しました。そのためには、学問に対する喜び、学問に対する質を維持すること、学問という枠を超えた取組みを進めていくことが大学の役割だと述べました。学生は学際的なテーマを扱った論文を書くこと、大学は海外からの講師、企業、政府、NGOなど様々な分野の人を客員などとして招聘すること、分析を行うだけでなく、対策・解決策を考える臨床的な研究を行うことなどを勧めました。また、地中圏への炭素貯留、ナノ技術など新しい科学・技術の持つリスクについても触れ、学術部門はリスクを発見し、政治に対してすぐに警告するようにしなければならないと主張しました。

 その後、ワイツゼッカー先生、名古屋大学の安成哲三先生、井村秀文先生、なごや環境大学の常任理事でNPOエコデザイン市民社会フォーラム代表理事の萩原喜之氏をパネリストにお迎えし、林良嗣環境学研究科長のコーディネートのもと、科学・政策・市民社会をつなぐ新たな環境学の展開について、パネル討論をしました。環境学の新たな展開として、研究や教育は何を目指すべきかといった問いかけに、会場からも多数の意見が寄せられ、活発な議論が行われました。

 

 写真

ワイツゼッカー先生による基調講演
パネル討論会の様子
パネル討論会の様子
パネル討論会の様子
パネル討論会の様子