環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 「名チャリ」プロジェクトの社会実験を行いました

環境学研究科社会環境学専攻 環境政策論講座
竹内研究室内 名チャリプロジェクト M2 山下裕介

「名チャリ」とは、放置自転車を共有自転車として再生し、決められた貸出・返却場所(ステーション)であればどこでも乗り降り自由に、誰もが簡単、便利、無料で利用できるという新しい交通システムです。私が所属する環境学研究科竹内研究室の大学院生を中心とした名チャリプロジェクトチームでは、この名チャリの名古屋市内での永続的実施、及び名チャリが名古屋の新しい公共交通となることを目指して、研究・活動を行っています。

名チャリ誕生の背景として、名古屋市中心部の放置自転車の多さと自動車交通の多さがあります。大量に発生する放置自転車を再生・利用し、多くの人で共有することで、まちにある自転車の総台数を減らすとともに、自動車からの乗り換えが進むような便利な交通システムを作ることにより、これらの問題を解決することを目指しています。

名チャリは、昨年度12月に13日間、初の社会実験を行いました。期間中、延べ1,872回の利用があり、名チャリの需要が確認されました。また、この社会実験および実験の成功を受けて、多くの協力主体が現れました。

昨年度の社会実験の実績により名古屋市との協力関係も築くことができ、今年度は、市と共催という形で、9月21日(日)〜23日(火・祝)の3日間(初日は雨天により中止のため実質2日間)、社会実験を行いました。今年度の社会実験では、より拡大したエリアに、昨年度の倍の数のステーションを設置したことで、2日間で950回以上の貸出があり、昨年度以上に多く利用していただくことができました。また、今年度は自転車の共有化をより進めようと、自転車を占有しないようにする呼びかけを行ったものの、一利用者が長時間占有するケースも多く、自転車の共有をいかに促進できるかは継続した課題となりました。

今年度の社会実験を通じて、名チャリの需要および社会的受容が改めて確認でき、市有地の占有や市との協力関係の構築、ステーションの詳細な場所を記して利用者の利便性向上を図った名チャリマップの配布など、昨年度の活動から得られた課題や要望を検証・解決することができました。その一方で、名チャリの実現のためには、まだまだ多くの課題があります。名チャリプロジェクトは、2年間の活動を通じて得られたデータを分析・研究することを通じて、今後も名チャリの永続的実施を目指していきます。

「名チャリ」プロジェクトのページ

 

 今年度の社会実験の様子