環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 地震の揺れの体験装置を公開

本研究科都市環境学専攻の地震工学・防災グループでは、開発を進めてきた統合型地震応答体験環境「BiCURI」を公開し、マスメディアなど多数が取材・見学に訪れました。

東海・東南海地震などの地震災害に備えて、住民が建物の耐震化や室内の安全性向上を自ら行い、さらに地震時の対処行動を確認することが重要となります。そのためには、自宅や職場などが将来の大地震でどのような揺れを経験するのか、実感・納得することが有効です。同グループではこれまでに、住民一人一人の地震ハザードや被災のリスクを伝える「地域防災力向上シミュレータ」や、耐震化の重要性を伝える各種の振動教材を開発してきました。本装置は、それらを含む一連の装置を統合し、実際の揺れや室内状況を、リアリティをもって体感できるようにしたものです。

本装置の水平2次元振動台は、人間が搭乗して実際の地震の揺れを体感できるものです。従来の大型振動台を上回る3m×1mのストロークをもつ点が特徴で、地震による建物の上階の大きな揺れなども再現できます。体験メニューとして、兵庫県南部地震や新潟県中越地震など最近の主要な地震や、将来の東海・東南海連動の地震などについて、地面の揺れやさまざまな高さの建物の揺れが準備されています。また正面の映像は振動台の2次元の揺れに合わせて左右・前後に動き、室内の家具転倒の様子や窓外の景色などが映し出されます。この映像は1/10模型の小型振動台による実験を撮影したもので、一見して模型とはわからないリアルなものになっています。

本装置は環境総合館4階の地域防災交流ホールに設置されており、地域の防災力向上のための活動に利用される予定です。詳細資料や動画は以下のウェブページでご覧ください。

http://www.sharaku.nuac.nagoya-u.ac.jp/BiCURI/aboutBiCURI.html

 

 写真


装置公開風景

装置公開風景

人形を乗せてフル加振の撮影
(最大の加振では危険なため人は乗れません)

人が乗って揺れの体験

取材を受ける福和教授