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このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生ががそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

建物のエネルギー性能

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都市環境学専攻
鵜飼 真貴子 助教

今年、名古屋では8月3日に観測史上初めて40℃を超え、8月27日時点で猛暑日が33日に達するなど、記録的な暑さであった。小中学校では夏休みのプールや部活動の制限などの対策が取られた。ただ、屋外だけでなく、環境の悪い室内に長時間滞在することも非常に危険であり、適正な温湿度環境にある室は快適な空間を提供する場だけでなく命を守る空間としての機能も果たすことになる。
建築設備においては、室内を適切な環境に保ちつつ、同時にエネルギー性能を高めることが求められており、私は実測やシミュレーションなどを通じて、設計法、最適なシステム構成、運用・制御方法、評価方法などの研究を行っている。
建物のエネルギー性能が一般的に広く知れ渡り注目されるようになったきっかけは、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の推進と大きく関係していると思っている。このZEBは、建物の外皮性能の向上(断熱の強化や庇の活用など)や自然エネルギーの活用(自然換気システムなど)といった建築的工夫よって建物の負荷を大幅に減らし、高効率機器等の採用により負荷を賄うためのエネルギーを可能な限り削減し、再生可能エネルギー(太陽エネルギーなど)によって、年間でエネルギー消費量とエネルギー製造量がバランスするような建物のことを指す。しかし、この考え方はZEBを目指した建物に限定されるものではなく、すべての建物で考慮されるべき基本的なものである。また、設計時だけでなく運用時においても、快適性と省エネルギー性を両立する手法を展開していくことが必要である。上述した考え方が反映された快適で省エネルギーな建物が多く建設され、民生用エネルギー消費量の削減につながることを期待している。
今年の夏は暑い。今後は、地球温暖化やヒートアイランドによりこの暑さが標準となるのか、それともそれ以上となるのか。今後の屋外環境にも着目しながら暑さに負けず研究に邁進したい。
(うかい まきこ)

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