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このコーナーでは、環境学研究科の教員や修了生がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

よりよい道路・交通環境づくりを目指して

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附属持続的共発展教育研究センター 交通・都市国際研究部門
柿元 祐史 助教
本教員のプロフィール

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「ひとの流れ・動きを制御(誘導)したい」この思いが交通工学分野を勉強し始めたきっかけとなりました.
これまで道路計画・設計は,道路の総量を増やすことを優先し,道路構造令に定めるとおり画一的に整備が行われてきました.その急速な整備の恩恵により,現在までの日本の発展があったことは言うまでもありません.そして現在,人口が減少していく中で,インフラの維持に莫大なお金がかかることから,インフラの量より質,道路であれば道路をつくるだけではなく,その道をどう活用(移動,観光,防災など)し,機能的にしていくかまで考えていくことが重要となっています.しかしながら,どう活用していくのかはあくまで設計する側の考えであり,どう利用するかは利用する側の考えによるものです.設計した意図と異なる使われ方をしたのでは,機能的になるはずもありません.
利用する側の考えは,その周辺環境によって大きく異なります.その一つ一つの環境を見て,整理し,次に利用者の行動を予測し,再現することで初めて目の前で起こっていることを解釈することができます.そこから,設計の意図と利用者の考えをすり合わせて,利用者が自然と行動したことが設計者の意図に沿うようにすることが,機能的にするために必要なことだと考えます.
よりよい道路・交通環境づくりは,各々の道路が機能的に働くことで実現できると考えています.そのためには,何より現地で人々の行動を見ることが最も重要で,何を考え何を欲しているのかを肌で感じることで「よりよい」ものが何か見つけられると思います.
あなたの何気無いふとした行動を一度振り返ってみてください.何かに誘導されてはいませんか?それに違和感がないのであれば,そこはよりよい環境なのではないでしょうか?
(かきもと ゆうじ)

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