パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校および天津大学建築学院と
合同建築・都市設計ワークショップを開催

大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学コースでは、2019年4月22日(月)から26日(金)までの5日間、名古屋大学東山キャンパス環境総合館1階レクチャーホールを会場として、フランスのパリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校(ENSA-PVS)と中国の天津大学建築学院と合同で、建築・都市設計ワークショップ(以下、WS)を開催しました。今回はENSA-PVSから都市計画や建築を専攻する14名の大学院生、天津大学から同じく大学院生・学部生15名と名古屋大学建築学コースの大学院生20名(うち2名はNUPACE生)の計49名が参加しました。WSの指導はENSA-PVSのBoris WELIACHEW教授、Marco TABET教授、天津大学の鄭穎副教授と王志剛副教授、本学の小松尚准教授と5名のティーチング・アシスタント(修士2年)が行いました。本WSは本学の建築学コースとENSA-PVSおよび天津大学の修士課程相当の学生を対象に、異なる文化的背景を持った学生同士が英語を共通言語にして一つの建築・都市デザインの提案をまとめる機会として2009年から開催しています。また本WSは、ENSA-PVSとは2009年度に、天津大学とは2015年度に締結した学術交流協定に基づいて、3校の協力の下、実施しています。例年、4月に名古屋で、9月にパリでWSを実施しており、今回は通算19回目のWSとなります。

今回は、「Regeneration of Sub-Center in Iwanari-dai District of Kozoji Newtown」と題して、昨年入居50周年を迎えた高蔵寺ニュータウンの岩成台団地内にある、商業施設や医療施設、公共サービス拠点からなるサブセンターを住民の新たな交流拠点として再生するための建築・都市デザイン提案を検討しました。高蔵寺ニュータウンは千里、多摩と並び、1960年代に大都市郊外に開発されたニュータウンの代表の一つです。そこには高低差のある土地造成、歩車分離、明確な土地利用上のゾーニングなど、1960年代の建築・都市設計に共通する特徴を見ることができます。また今回の設計対象であるサブセンターにある3つの建物は、メタボリズムやメガストラクチャーといった当時の建築家が提案、追求した建築スタイルに基づいて設計されており、この遺産を現在の建築・都市や社会状況を照らし合わせながら、継承そしてアップデートするかが課題となりました。

WSとしては、まずWSまでに各大学で敷地および周辺分析を行い、その結果を持ち寄ってWS期間中に日仏中の混成グループ(1グループ7名)で建築・都市デザインの提案を検討し、発表するための図面や模型を制作しました。WS初日は各大学での事前作業の結果を共有し、現地見学の後に本格的なグループ作業に入りました。3日目には中間講評会、5日目の夕方には成果発表会を行いました。この間、3日目午前には豊田講堂(槇文彦氏設計)見学を行いましたが、豊田講堂は1960年竣工のメガストラクチャーからなる建築であり、1960年代の建築を学ぶに格好の題材です。成果発表会では、各グループの分析結果とデザイン提案がA1版4枚の図面と模型によって発表されました。難易度の高い課題でしたが、限られた議論や制作時間の中で、どの提案にもこのサブセンターの建築・都市的特性を継承しながら再生活用していく建築・都市デザインのあり方を検討する上で大変参考になる内容でした。

なお、本WSの実施にあたっては、UR都市機構に資料提供や現地見学について大変ご協力いただきました。また、環境学研究科長裁量経費を得て実施されました。

《参考》今回および過去のWSの様子や成果については、下記ウェブサイトで紹介しています。
  http://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/unique/index.html#pari_tianjin

写真1
写真1 事前作業の共有 (4/22)
写真2
写真2 事前作業の共有 (4/23)
 
写真3
写真3 現地調査 (4/22)
写真4
写真4 グループ作業 (4/22-24)
 
写真5
写真5 グループ作業 (4/22-24)
写真6
写真6 豊田講堂見学 (4/24)
 
写真7
写真7 中間発表会 (4/24)
写真8
写真8 中間発表会 (4/24)
 
写真9
写真9 グループ作業 (4/25-26)
写真10
写真10 グループ作業 (4/25-26)
 
写真11
写真11 グループ作業 (4/25-26)
 
写真12
写真12 成果発表会 (4/26)
写真13
写真13 成果発表会 (4/26)
 
写真14
写真14 参加者集合写真 (4/26)
 


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