パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校および天津大学建築学院と
合同建築・都市設計ワークショップをパリで開催

大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学コースは、2018年9月17日(月)から21日(金)までの5日間、フランスのパリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校(ENSAPVS)を主会場として、ENSA-PVS、天津大学と合同で国際学生建築・都市設計ワークショップを開催しました。今回のテーマは「Open & Closed Public Spaces」。パリ市内を流れるセーヌ川に浮かぶシテ島の西先端にあるベルガラン広場(Square du Vert-Galant)に、屋外のパブリックスペースと川に浮かぶ屋内のパブリックスペースを提案するというもの。今回はENSAPVSの大学院生・学部生約80名と天津大学の学生11名、そして名古屋大学大学院建築学コース博士課程前期課程1年の伊阪遼、温舒硯、木下亮、柴田樹人、徐小雨、山岡恭大、降籏賢人の7名が参加し、3大学の学生は9つの混成グループ(各グループに名大院生もしくは天津大学学生を含む)に分かれて本課題に取り組みました。WSの指導は、ENSAPVSのMarco Tabet教授、Boris Weliachew教授、天津大学の鄭穎副教授、そして本学の小松尚准教授が行いました。

本WSは、異なるバックグラウンドを持つ学生同士が英語で対話し協働し、提案する貴重な機会を提供するものです。この取り組みは、2009年4月以降、両大学の間で締結された学術交流協定に基づき実施されています。毎年4月に名大で、9月にパリでWSを行っており、ENSA-PVSでのWSは今回が9回目(名大でのWSを含めると通算19回目、名大が参加したWSとしては18回目)になります。

対象敷地はパリの歴史や都市空間、そして景観の上でとても重要な場所であり、また緑豊かで周りの喧噪からは切り離された落ち着いた空間です。セーヌ川の隠れた憩いの場所といえるこの敷地を、高い審美性を備え、しかしより多くの市民や観光客に親しまれる場所に転換していく提案が求められました。そこで、参加学生は8月から本課題の理解と掘り下げ、建築的、都市的提案を考案していく際に参考事例の収集など事前学習を行ってWSに臨みました。

WSは、まず1日目は本課題の説明とともに本課題に関連するパリの歴史や先行類似例についてのショート・レクチャーが行われました。次に、8つの学生グループは敷地及び周辺の調査に出向き、課題の読み取りや提案のポイントについて議論と共有、そしてデザイン検討を開始しました。2日目以降はグループ作業を行い、3日目には中間発表会、5日目の夕方には成果発表会とフェアウェル・パーティを開催しました。

最終日の成果発表会では、各グループの調査・提案が図面(A1版4枚)と模型(1/100)によって発表されました。本ワークショップの担当教員だけでなくENSA-PVSの関係者が多数参加し、意見交換と講評が行われました。今回の評価ポイントとしては、①オープンとクローズドという対照的なパブリックスペースの提案コンセプトとその具体的な設計内容、②既存の広場のとらえ方や利活用の考え方、③それが適切かつ魅力的に図面や模型で表現できているか、といった点から成績(20点満点で採点)が付与されました。5日間という短い時間ではありますが、名大院生がメンバーの一員であったグループの提案が上位4つを占めるなど、全般的に高い評価が与えられました。

なお、本ワークショップに参加する学生の派遣は、独立行政法人日本学生支援機構の平成30年度海外留学支援制度(協定派遣)採択プログラムとして実施し、教員の派遣等は環境学研究科研究科長裁量経費の支援を受けて実施しました。

《参考》今回および過去のWSの様子や成果については、下記ウェブサイトで紹介しています。
  http://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/topics/paris/paris.html

写真1
課題説明とショート・レクチャー(1日目)
写真2
ポン・ヌフから見る提案対象敷地(1日目)
 
写真3
グループ作業(2日目)
写真4
グループ作業(2日目)
 
写真5
中間発表会(3日目)
写真6
中間発表会(3日目)
 
写真7
グループ作業(4日目)
写真8
グループ作業(4日目)
 
写真9
成果発表会(5日目)
写真10
成果発表会(5日目)
 
写真13
成果発表会(5日目)
写真11
成績発表と講評(5日目)
 
写真12
参加者集合写真(5日目)
 


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