環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  環境学と私
このコーナーでは、環境学研究科の教員がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

 街歩きエアロゾル観測

顔写真
地球環境科学専攻 地球環境変動論講座
長田 和雄 准教授
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納屋橋での街歩きセミナーの様子
へ海へ極地へ、エアロゾル観測にいこう! というキャッチフレーズで学生を募っています。「極地」がなければ夏休みのレジャー広告みたいですが、立山での山岳大気観測、離島や半島、観測船に乗っての海洋大気観測と、都会を離れての観測が中心です。このような遠隔地では人為的な影響が少ないため、遠方から運ばれてくる越境汚染の状況や、自然本来の大気環境を知るのに好都合だからです。遠隔地での観測機会が毎年あるわけではありませんが、人里離れた不便な場所での観測は、普段と違う経験ができると思います。
舎の観測ばかりではなく、実は都会の大気も観測しています。その一つが、都市環境学専攻の西澤先生と一緒におこなっている「街歩きセミナー」でのエアロゾル観測です。環境学研究科には、「フィールドセミナー」という体型理解科目があり、その授業の一環です。名古屋市中心部の納屋橋から、堀川沿いに名古屋城方面へ、そこから名古屋市役所、市政資料館、文化の道へと巡る、ワン・デイ・ツアーをおこなっています。名古屋都心部の地形・水系、緑地と市街地の関係、市街地における大気環境などについて、実際に歩きながら見聞し議論するセミナーです。西澤先生が一日中ほとんどしゃべり続けていて、私の話はほんの少しですが、データはおもしろいです。ツアーコースには、幹線道路もあれば、大通りから一本なかに入った道、そして緑のある公園内と、都市の大気エアロゾルを知るにはちょうど良いコースです。
都会でエアロゾル数濃度を観測すると、場所によって濃度が大きく変化することがわかります。日によってもかなり違います。このようなエアロゾル数濃度の変化は、発生源から遠くなると、おならの臭いが次第に薄まるのと似ていますが、エアロゾルの場合にはちょっと違うところもあります。「皆さんの吸っている空気、さっきとかなり違います。どうしてでしょう?この後、エアロゾルはどうなると思いますか?」その場で感じてもらうことがまず重要ですが、後でいろいろ調べてみれば、もっとおもしろくなります。どうです?あなたも一緒に歩いてみませんか?
(おさだ かずお)
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