環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  環境学と私
このコーナーでは、環境学研究科の教員がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

 乱流

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都市環境学専攻都市持続発展論講座
准教授 飯塚 悟

れた流れ、「乱流」に関わることが私の研究です。「乱流」は、機械、建築、土木、気象、海洋、航空、医学など、様々な分野で幅広く取り扱われています。例えば、建物内の換気・通風計画(建築)、自動車や飛行機の開発(機械、航空)、天気予報(気象)、といったものは一見何の関連性もないように思われるかもしれませんが、乱流(上記の例では、乱れた空気の流れ)に関する知識や情報がとても重要という点で共通しています。
流を扱う数多くの分野の中で、私は建築環境工学に関わる乱流の研究を行っています。屋外の風環境・温熱空気環境(ビル風、大気汚染・拡散問題など)や建物内の温熱空気環境(換気・通風計画など)が研究対象です。乱流の解析にはコンピュータを使っています。いわゆるコンピュータシミュレーションです。図は建物周辺の風の流れのCGです。シミュレーションの大きな利点の1つは、CGやアニメーション技術により、通常は目に見えない空気の流れ(乱流)を視覚的に分かりやすく表示できることです。また、現在では高性能なコンピュータが安価で手に入るので、コストパフォーマンスに優れることもシミュレーションの大きな利点となっています。私が大学院生の時、現在のような高性能なパソコンはなかったので、スーパーコンピュータを使ってシミュレーションを行っていました。スーパーコンピュータの使用料だけで高級車数台分!に及ぶこともあり、何度も血の気が引いたものです。しかし今では、当時のスーパーコンピュータを駆使して行ったシミュレーションが安価なパソコンでできます。シミュレーション研究にとって本当に良い時代になりました。
の4月からの着任で、名古屋での生活は初めてです。まだ実感していませんが、名古屋の夏はとても暑いと聞いています。コンピュータシミュレーションを駆使した名古屋の都市環境改善はこれから積極的に手がけていきたい研究テーマの1つです。複雑な諸要素を含む都市の環境改善のためには、私が専門とする建築分野だけではなく、様々な専門分野の方々との横断的な連携が不可欠となります。環境学研究科の多様な分野の方々と密接に連携して、名古屋の都市環境改善に少しでも尽力できたら、と考えてます。
(いいづかさとる)

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建物周辺の風の流れのコンピュータグラフィックス

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