環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  環境学と私
このコーナーでは、環境学研究科の教員がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

 国際化の障壁

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都市環境学専攻物質環境学コース
准教授 岩松 将一
(有機合成化学)

の専門は合成化学、簡単に言えばものづくり屋です。新しい物質や材料をいかに無駄なく、簡単に作るかという仕事ですが、研究についてはホームページなどをご覧いただくこととして (イメージピクチャーのみ掲載)、ここでは名古屋に来てこの数年感じていることについて書きたいと思います。
承知のとおり、日本の教育機関では、国際化の第一歩として英語力アップが常々叫ばれています。環境学研究科、名古屋大学も当然例外ではなく、一部入学試験への英語検定の導入、英語あるいはバイリンガル講義の実施など、試行錯誤的要素を抱えつつも、毎年拡充が図られています。学生にレベルアップを求める私自身、語学には多分に問題有りなのですが、救いは化学にあり、元素の種類や物質の構造を示す暗号にも近い?図の書き方は幸いにも万国共通で、ポケットに紙と鉛筆さえ忍ばせておけば、とりあえずなんとかなるように感じています。また、目と目の会話、阿吽の呼吸は通用しないなどよく言われることも、感情を隠せない困った性格のせいかあまり感じず、むしろ最近では一回りはなれてしまった学生さんが何を考えているのか分からずに日ごろの授業でこの悩みを感じています。
際化の推進に関して、学生をもつようになってから特に感じるのが名古屋を中心とした東海地区の地域特異性です。九州の片田舎から来て 6 年、名古屋は地元指向の強いところだと事あるたびに感じますが、大手一流企業の存在もあり、進路を考えるときその傾向はますます強くなります。職種はさておきまず名古屋、時にその態度はあまりにあからさまで、指導する側としては正直落胆することもあるわけですが、そもそもこの発想は大学を選ぶ段階から始まっているようです。絶対名古屋から離れないワヨ!!という学生さんの頑なな意思と、国際化を合言葉に英語力向上、海外交流を推進する大学との間に、教育プランではおそらく埋められない微妙な温度差を感じる今日このごろです。
(いわまつ しょういち)

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実験室の風景

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取扱い物質のモデル

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