環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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  環境学と私
このコーナーでは、環境学研究科の教員がそれぞれの関心や出来事について広く語りかけます。

 一外野手として

田渕先生
社会環境学専攻
助教授 田渕六郎

の3月で環境学研究科を離れることになりました。2001年の創設以来、あっという間の6年でしたが、日々の教育研究と諸業務で忙殺されながらも、自分なりに環境学とは何かということを考えた6年でした。題の「外野手」には、既にこの組織の境界人となりつつある自分と、環境学じたいを専攻するわけではない外野の立場から環境学に関わってきた自分とを重ねています。
は経験的調査にもとづく家族研究が専門で、環境そのものを研究しているわけではありません。こんな私も、環境学とは主に二つの接点で関わってきました。1つは持続性学プロジェクトの一環で河合先生、高野先生らと行ってきた「環境人口論」セミナーです。当初勉強会から始まったセミナーは今年度より体系理解科目になり、当初の目的は果たせたと思います。もう1つは、環境学研究科の調査チームが行ったスマトラ沖地震・津波調査への参加です。写真は2005年12月のバンダアチェ調査での光景です(筆者は中央。撮影は木村玲欧さん)。バンダアチェ調査については、木股文昭・木村玲欧・田中重好『超巨大地震がやってきた―スマトラ沖地震津波に学べ』(時事通信出版局,2006年)を御覧ください。他分野の皆さんと一緒に調査するなかで、自分なりのささやかな貢献ができたと思っています。
境学研究の主力ではありませんでしたが、こうした活動を通じて、環境学には外野手としての貢献もできるのだということを実感しました。今では、面白いチームには面白い外野手が必要なのだと考えられるまでになりました。実際に外野手としてグラウンドに立ってみることなしにはこうした経験はできなかったでしょう。
環境」は多義的な言葉ゆえ、色々な「環境学」があるはずです。内野手だけでなく、全てのメンバーが野手の自覚を持ち、外野手も自分のポジションから自分の「環境学」を提案することで初めて、環境学は豊かに、魅力的になるのではないでしょうか。私は外野から応援席に移動しますが、今後も環境学研究科の発信する環境学を見守っていきたいと思います。
(たぶちろくろう)
バンダアチェ調査
バンダアチェ調査にて

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