環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

Home > トピックス

 第72回防災アカデミーを開催しました

9月13日(火)環境総合館レクチャーホールにて第72回防災アカデミーを開催しました。今回は、本学名誉教授の西澤邦秀先生により「東電原発事故による環境汚染が地域住民に及ぼしている影響−衣・食・住・被爆・健康、法規制−」と題した講演を行いました。
西澤先生は、放射線に関する安全管理や人体への影響が専門で、今回の東日本大震災に伴う福島第一原発事故に関しては、放出された放射性元素による環境汚染を専門家として調査研究し、対応策を提言するための活動をされています。そのために日本放射線安全管理学会で放射性ヨウ素・セシウム安全対策アドホック委員会を全国の研究機関に呼びかけて組織されており、その活動も含めて講演されました。
最初に、放射線と放射能の基本的な説明があり、ベクレル、グレイ、シーベルトなどの単位の意味、放射線の人体への影響、被爆限度や飲食物摂取の基準値、さらには福島原発から放出されたヨウ素131とセシウム137の量は広島原爆よりはるかに多いことなど、誰もが知りたいと思われることがとてもわかりやすく解説されました。
また、委員会の活動については、組織の段階で信頼できる専門家を集めるようにしていること、試料の入手や研究者への配送などに気を配って正確な分析に力を注がれていること、そこから得られた具体的かつ詳細な除染の方法や効果の分析など、社会の安全と安心に取り組む科学者としての姿勢が強く感じられる講演でした。
会場は121名の参加で満員となり、講演後の活発な質疑もあり盛況のうちに終了しました。
災害対策室のホームページ
今後の予定
10月17日(月) 野田利弘(名古屋大学大学院工学研究科教授)
「液状化を含む地盤の地震時被害」

 写真

写真1
講演する西澤名誉教授
写真2
会場の様子
写真3
会場の様子