環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 高大連携高校生防災教育推進事業「高校生防災セミナー」を開催しました

 7月26日(月)に、名古屋大学と愛知県教育委員会との間で、高大連携高校生防災教育推進事業に関する協定が結ばれました。調印式は環境総合館で執り行われ、宮田隆司理事・副総長と愛知県教育委員会の今井秀明教育長との間で協定書が取り交わされました。式には、山口靖環境学研究科長を始め、事業推進に関わる本学の教員、愛知県教育委員会や防災局、あいち防災リーダー会、NPO法人レスキューストックヤードの代表者、報道関係者が参加しました。
 我が国は、南海トラフでの巨大地震が切迫する「地震活動期」を迎え、一方、地球温暖化により気象災害も急増しています。大災害時には、公助の力は圧倒的に不足し、自助・共助の力で災害に立ち向かう必要があります。そこで、大人になったときにこれらの災害を確実に経験する高校生たちに、災害発生の科学、災害抑止の技術、災害とつきあう知恵、そして逞しく「生きる力」を学んでもらい、自立して活動できる防災リーダーになってもらうため、「高校生防災セミナー」を開催しました。
 「高校生防災セミナー」は、平成16年度より愛知県教育委員会が主催して行われ、名古屋大学教員も継続して協力をしてきましたが、本年より、装いを改め、高大連携の形で本格実施することになりました。セミナーは夏期休暇中の4日間の座学・実学による学修と、2学期の実践活動、年末の活動成果発表会から構成されています。本年は、県内の高校15校(県立12校、国立1校、名古屋市立1校、私立1校)から、生徒・教員計75名が参加しました。
 夏期休暇中の4日間のセミナーは、環境学研究科の6名の教員による、地震や風水害などの災害発生メカニズムや災害発生の地理的要因、都市・建築計画や耐震技術による災害の抑止、被災者心理の問題などに関する講義に加え、愛知県による防災行政に関する講義や岡崎水害の被災者による体験談、あいち防災リーダー会による災害図上訓練、レスキューストックヤードによる災害ボランティア活動の紹介と、各学校での防災活動のアクションプラン作成のワークショップなどから構成されています。高校生たちは目を輝かせて受講しており、多くを学ぶと共に、災害をわがことと感じ、減災活動の大事さを実感したようでした。その成果は、各校での防災アクションプランに見事に表れていました。
 今後、高校生たちは、2学期の期間中、アクションプランに基づいて防災リーダーとして各高校で防災活動を実践し、12月24日には再び名古屋大学に集まり、シンポジオンで活動成果を発表する予定となっています。さらに、2年目には、1年目の活動実績に基づいて、高校生自らが地域に出て行き、小中学校や地域での防災活動を主導する高校生防災リーダーとして活躍してもらう予定です。
 本事業は、スーパーサイエンススクールの防災版であると同時に、政府が進める「新しい公共」の一つでもある「災害被害を軽減する国民運動」を、地域ぐるみで連携して実践する社会活動でもあります。来年度以降も継続して実施していく予定です。
関連ホームページ:愛知県教育委員会(セミナーの様子が掲載されています。)

 写真

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宮田隆司理事・副総長と愛知県教育委員会 今井秀明教育長による協定の調印(7月26日)
写真2
開講式で挨拶する宮田隆司理事・副総長(7月26日)
写真3
小松尚准教授による耐震化を学ぶキャンパス内ツアー(7月26日)
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セミナーでの講義の様子(7月26日)
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講義を真剣に聞く高校生(7月27日)
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あいち防災リーダー会の人たちと実施した災害図上訓練DIGの様子(7月27日)
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災害時のボランティアの役割について発表する高校生たち(8月9日)
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ボランティアとしての技術を学ぶワークショップの様子(8月9日)
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学校で実施する防災活動アクションプランを発表する高校生たち(8月23日)
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他校のアクションプランを真剣に聞く高校生(8月23日)
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アクションプラン発表後の参加者全員による集合写真(8月23)