環境学研究科
Graduate School of Environmental Studies

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 平成21年度(第11回)まちとすまいの集いを開催しました

大学院環境学研究科都市環境学専攻 建築学教室
 大学院環境学研究科は、11月21日(土)、環境総合館レクチャーホールにおいて「第11回まちとすまいの集い:超高齢社会の「すまい」を考える」を開催しました(参加者約70名)。
 日本の高齢化率は2008年で22%に達し、75歳以上も10%を超えて、世界に類を見ない超高齢社会となりました。今回の集いでは、同研究科建築学教室の3教員による講演を通じて、高齢者の「すまい」に関する建築計画、建築構造、建築環境・設備の各分野の取り組みや、これからの超高齢社会における「まちとすまい」の姿について考えました。
 最初の講演者は、計画(建築計画、住環境、高齢者福祉環境、教育環境、地域施設配置計画)を専門とする生田京子准教授で、高齢者の「すまい」について、①地域の福祉環境、②ソフトとハードの在り方、の2つの観点から、国内外の具体的な事例紹介も交えながら論じられました。次の講演者は、構造(構造動力学、耐震工学、木質構造)を専門とする古川忠稔准教授で、木造住宅を中心に耐震性の実態や耐震化を遅れさせる阻害要因についての解説がありました。講演の後半では、古川准教授が中心となって開発した木造住宅の新しい耐震補強工法の説明がありました。最後の講演者は、環境・設備(建築環境工学、設備工学)を専門とする齋藤輝幸准教授で、トイレや浴室といった住宅内非居室で発病する急病に関して、名古屋市のデータ分析や被験者実験の結果が紹介され、また、近年のトイレや浴室の急病発生の増加が高齢者人口の増加に関連していることが指摘されました。3教員の講演終了後には、パネルディスカッションとして活発な質疑応答も行われました。
 今回の集いに合わせて、環境総合館のロビーには卒業設計優秀作品のパネルと模型、各研究グループの紹介パネルが展示され、また、地域防災交流ホールや環境シミュレーションスタジオも一般公開されました。

 写真

講演する生田京子 准教授
講演する古川忠稔 准教授
講演する齋藤輝幸 准教授
会場の様子